芸能

『大江戸グレートジャーニー』 動物を撮る難しさと面白さ

重要なキャストだった犬の翁丸

「大江戸グレートジャーニー ~ザ・お伊勢参り~」(WOWOW)は、2014年に大ヒットした映画『超高速!参勤交代』の本木克英監督と、原作・脚本の土橋章宏氏が久々にコンビを組んだ注目の連続ドラマだ。2人が語り合った。

土橋:それにしても江戸時代はやっぱり面白い。現代劇と違って、リアリティから少し離れたエンタメ要素を設定できるし、場合によってはSF要素を交えて寓話的な世界を見せることもできます。

本木:でも、撮影するほうは大変なんですよ。今回はとくに、翁丸という犬が重要なキャストとして登場しますから、土橋さんが「ここでワンと鳴く」と書くと、そのシーンを押さえるのに何時間もかかったり(笑い)。

土橋:ああ、それは申し訳ありません(笑い)。でも翁丸役のワンちゃんは、私が見学にお邪魔した時、撮影現場のいい癒やしになっていましたね。ヒロイン役の芳根京子さんにもすごく懐いているように見えました。

本木:今回のキャスティングでは、犬好きであることはわりと重要な条件でした。犬が苦手な俳優だったら、犬待ちに耐えられなくて「自分と犬のどっちが大事なんだ!」と怒り出しますから。日本犬の中でも紀州犬は特に頑固で、主人以外には懐かないと聞いていたので少し心配していたのですが、結果的には僕以外の皆さんにはうまく馴染んでくれたのでよかったです。

土橋:あれ、監督は?

本木:僕にだけは最後まで敵意むき出しで、ずっと吠えられっぱなしでした。しまいには子役の斎藤汰鷹君にまで、「監督は群れのリーダーだから喧嘩売られてるんじゃない?」なんて慰められたりして(笑い)。

土橋:当たり前ですけど、思い通りには動いてくれないものなんですね。

本木:でも、予想外の動きをするからこその面白さもあるんですよ。動物は当然演技はしませんが、時に思いもよらない表情をすることがあるし、それが脚本上にない効果を生むことも珍しくありません。こちらの意図した通りに撮るのが難しい半面、とりあえずカメラで追っておけば画が持つのもありがたいですね。

土橋:もうひとつ、江戸時代を舞台にするのは、時代考証の難しさというのがありますよね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン