2020年シーズンのプロ野球は、ロッテ・佐々木朗希(18)やヤクルト・奥川恭伸(19)といった高卒ルーキーが注目される一方で、影が薄れつつあるのが2018年の高卒ドラ1の日本ハム・吉田輝星(19)。
昨年6月に初先発で初勝利を飾ったが、その後は打ち込まれ1勝3敗、防御率12.27とほろ苦いルーキーイヤーだった。勝負の2年目を迎えるが、6月3日の練習試合では1被弾を含む1回2失点。甲子園を沸かせた150km超の直球は影を潜め、最速144km止まり。
「課題の制球難を改善するために投球フォームを修正したことで、持ち味の躍動感が失われてしまった。栗山英樹監督も渋い表情で、試合後には本人と“プロ野球で何をしたいか”について直接話す方針を明かしたほどです」(スポーツジャーナリスト)
3年目の清宮幸太郎(21)も精彩を欠いている。昨年、同期のヤクルト・村上宗隆(20)が36本塁打を放つ大ブレイクを果たしたが、昨年7本塁打の清宮は練習試合でなかなか安打が出ず、出塁しても味方の打球が当たり、守備妨害を取られるなど散々。
「清宮はDHでは王柏融(26)、一塁では中田翔(31)に勝たねばならない。守備を大目に見ても打撃が開花しない限り、レギュラーは厳しい」(スポーツ紙デスク)
野球評論家の江本孟紀氏も2人に辛辣だ。
「甲子園で注目されて高校がピークだという選手がいるんですよね。だから甲子園で活躍して燃え尽きた選手よりも、甲子園に行けなかった素質のある選手のほうがプロで伸びたりする。斎藤佑樹がいい例ですが、吉田も同じパターンです。清宮も素質はあるんでしょうが、鍛え方が足りずすぐに故障をする。ハングリー精神に欠けているというか、あらゆる面でプロに転換できていない」
まずは意識の改革からか。
※週刊ポスト2020年6月26日号