かつてパ・リーグには個性的なユニフォームと帽子の球団があった。阪急電鉄と近畿日本鉄道、どちらも親会社に鉄道会社をもつ阪急ブレーブスと近鉄バファローズだ。
約700点に上る野球帽の歴史を解説した『野球帽大図鑑』(著/綱島理友、イラスト/イワヰマサタカ。朝日新聞出版刊)から、今は合併して同じ球団となった二球団の個性的な帽子について紹介しよう。
オリックス・バファローズの前身である阪急ブレーブスと近鉄バファローズ。この両チーム、今考えると共に変わった形の帽子をかぶっていた。
1978年の後期(当時のパ・リーグは前後期制)から、近鉄は6パネルの色違い帽子を採用。前後2枚のパネルが紺で、サイドの左右1枚ずつが赤。そして前方に刺繍を施した白のアーチ型フロントパネルを「張り付けた」帽子だった。パネルにはKINTETSU BUFFALOESのフルレターが左右アーチ型に入り、中央には猛牛マークが刺繍されていた。
一方阪急は1984年、フロントパネル2枚を白くして、赤いラインと騎士の甲冑の兜をモチーフにした独特のBマークを装着。両チームの個性的な帽子を記憶している読者も多いと思う。
※週刊ポスト2020年6月26日号