東京都心に人出が戻り始めた6月初旬の昼どき、神田の細い路地にある居酒屋の前でワンボックスカーが停まり、財布を握りしめた女性が降りた。ランチ用なのか、店先に並ぶテイクアウトの弁当を物色している。鼻の上から顎下までをすっぽり覆う特大マスクをしているこの女性、安倍晋三首相の夫人・昭恵氏だ。
店員と親しげに話しながら、弁当をいくつか買い込み、後部座席に乗り込む。店先に勢揃いした店員たちが深々と頭を下げて見送っていた。店をよく知る関係者が語る。
「ここは瀬戸内産の食材をウリにした居酒屋で、安倍首相の地元・山口県出身のオーナーは昭恵さんの飲み友達。店は緊急事態宣言解除後の6月から再開したばかりだったので、応援するために来店してくださったようです」
昭恵夫人といえば、この店の近所で「UZU」という居酒屋を経営しており、こちらも6月から再開したばかり。「オーナーがスタッフを連れてUZUに行くこともある」(同前)とのことで、互いに同業者同士の“絆”を大切にしているようだ。昭恵夫人をよく知る政治ジャーナリストが語る。
「昭恵さんは再開後のUZUの経営のことで頭がいっぱいなんです。UZUは昭恵さんの“社交サロン”であるとともに、日本全国を回って食材を探したり生産者と触れ合ったりしたことを“アウトプット”する場。UZUを通じて全国の生産者や飲食店を支援していきたいという思いに燃えているようです」
コロナ禍の中での“花見写真”や旅行など相次ぐ外出で物議を醸してきた彼女だが、いち早く日常を取り戻した様子。口元のマスクが「アベノマスク」ではないことが、その何よりの証左かもしれない。