プロ野球チームの帽子には様々なドラマがある。約700点に上る野球帽の歴史を解説した『野球帽大図鑑』(著/綱島理友、イラスト/イワヰマサタカ。朝日新聞出版刊)から、かつて黄金期を築いたチームの帽子について紹介しよう。
昨年、パ・リーグを制した西武ライオンズの前身が西鉄ライオンズ。西鉄ライオンズの黄金期を象徴するNとLの帽子マークは、三原脩監督と豊田泰光選手が紙をはさみで切り、それを組み合わせながらデザインした。
NLマークが登場したのは1954年の日本シリーズあたりから。このときはLの上にNが完全に乗っていた。西鉄はこの帽子で56年から日本シリーズ三連覇を果たす。
三原が退任した1960年にNLマークは姿を消すが、1962年に三原の娘婿である中西太がプレイングマネージャーに就任すると、フォルムがスマートになって復活。Lの一部が前に出ているデザインに変更された。ところが同時期に、LがNの上に完全に乗っているパターンも確認できる(1962~1965年、別掲イラストの※)。1966年にNLマークはオレンジに変更されている。
※週刊ポスト2020年6月26日号