どんな意見にも多数派の意見とは逆を主張する人たちがいるものだが、芸能人の不倫スキャンダルについても同じ事が起きている。まるで、いじめ事件が起きたあと、いじめた側も悪いけれどいじめられた側にも原因があるという歪んだ認知を主張する人たちのようだ。複数不倫を認め、仕事をすべて自粛している渡部建への擁護には、どんな傾向が見られ、その裏に隠れている本音は何なのか。ライターの宮添優氏がレポートする。
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人気お笑いコンビ「アンジャッシュ」渡部建の不倫騒動が、ようやくコロナ禍を抜け出しつつある世間を騒がせた。全ての番組出演を自粛し、相方がラジオ番組で涙の謝罪放送を行うなど、世論は「渡部が悪い」ムード一色だ。ところが、悪いのは渡部だけなのか、むしろ渡部の妻である佐々木希にも原因があるのではないか、という声がネット上に目立ち始めている。
リアルでそのような本音を持っていても、なかなか人前では披露できないということで、ネット上に書き連ねている、といったところだろうか。不倫はした側だけでなく、された側にも問題があると考える人たちに本音を聞いた。
「ツイッターで『佐々木希が相手をしなかったから』という書き込みが流れてきてなるほど、と思いましたね。私も妻と結婚し、子供が生まれてから夜の関係はほぼゼロになりました。妻は私の元彼女、妻であり、今では私の息子の母親という認識。妻が妻のまま……いや、彼女だった頃くらい女らしくしてくれれば浮気はなかったでしょうね」
このような持論を展開するのは、都内の広告制作会社勤務・小松恭平さん(仮名・40代)。大恋愛の末に妻と一緒になったという小松さんだが、すでに家庭内別居状態。不仲の理由については「妻の女らしさが足りないから」と言って憚らず、自身は出会い系アプリで知り合った女性と逢瀬を重ねる毎日だ。妻が女らしくあるために何か協力をしている気配は無い。誰の目から見ても、単なる「浮気男」なのだが、本人はいたって真面目に、自身の責任を棚上げするのだ。
「佐々木さんの場合、妻と違って女らしさは十分ですから、あとは夫に構っていればよかったんですよ。女は女らしくしていないとダメでしょ」(小松さん)
自身の「男らしさ」についてはどう考えっているのか問うと押し黙ってしまった小松さん。「給与を家に入れている」とか細い声で答えたが、浮気に時間を取られているため、自宅で家族のために使う時間は少ないはず。よく考えるまでもなく、これは逆に妻側から見ても夫を「男として見てはいない」という現実でもあるのではないか。