中国の首都・北京市の食品卸売市場で、新型コロナウイルスの集団感染が判明し感染の「第2波」の恐れが強まるなか、北京市当局は感染源と伝えられる「海外からのサーモン」の輸入を全面的に禁止。この措置がいつまで続くのか見通しは立たない状況だ。サーモンの刺身などを出す日本料理店には閑古鳥が鳴いており、深刻な打撃を受けている。
この食品卸売市場「新発地」で、ウイルスが見つかったのは6月11日で、市当局の調査では、ウイルスは輸入サーモンを切ったまな板から見つかったという。
中国メディアによると、直ちに北京のあらゆるスーパーマーケットの棚からサーモンが取り除かれて、市内ではサーモンの流通はゼロになった。
ロイター通信によると、オスロに拠点を置く魚介類の輸出業者のレジン・ヤコブセン最高経営責任者(CEO)は「いまはサーモンを中国に送ることはできないし、市場は閉鎖されている」と述べている。また、ノルウェー・ロイヤル・サーモンのセールス・マーケティング責任者、スタイン・マルティンセン氏も「中国への販売をすべて停止し、状況が明らかになるのを待っている」と答えている。
北京市内の朝陽地区にある高級日本料理店の幹部は香港メディアの取材に対して、「すべての予約がキャンセルされ、収益はほぼゼロになった。4月下旬からビジネスは持ち直した矢先だったが、今回のサーモン騒動は日本食レストランを直撃しており、今後の見通しは全く立たない状態だ」と悲観的だ。