芸能

女優・前田敦子、日本映画の名匠たちが評価する「生き様」

有名監督が次々と起用する理由とは(時事通信フォト)

 女優に転身したAKB48グループの元メンバーは数多く存在するが、前田敦子の活躍ぶりは、さすがかつての不動のセンターと言うべきか。日本を代表する映画監督による起用が続き、邦画界で確固たる地位を築いている。

 ただ起用されるだけではない。前田は不思議と名監督たちを魅了してしまうのだ。彼女に魅せられた映画人のひとりが、『CURE』や『アカルイミライ』などの作品で知られ、『トウキョウソナタ』ではカンヌ映画祭「ある視点」部門・審査員賞を受賞した黒沢清監督だ。

 黒沢監督は、前田の主演映画『Seventh Code』(2014年公開)でメガホンをとった。こちらは、もともと前田のソロ曲のMVとして制作された映像だが、一般的なMVの枠にとどまらず、ロシアのウラジオストクでロケが行われ、60分間の短編映画に仕上がっている。

 黒沢監督は初日舞台あいさつで、「悪く言うと、孤立している。ひとりだけ他と全く違う何かがある。こんな若い年齢の日本人で、たったひとりで生きている強さが、ぱっと見た瞬間に滲み出してくる人は少ない」と前田の印象を語っていた。2019年に公開された『旅のおわり世界のはじまり』でも前田を主演に起用しており、黒沢監督が“女優・前田敦子”に惚れ込んでいることは間違いないだろう。

『リンダ リンダ リンダ』や『天然コケッコー』で知られる山下敦弘監督も、『苦役列車』(2012年公開)、『もらとりあむタマ子』(2013年公開)と続けて前田とタッグを組んでいる。『もらとりあむタマ子』で前田が演じた主人公・坂井タマ子は、家事を手伝うこともなく、就職活動をすることもなく、毎日だらだら過ごすだけの無職という役どころだ。ともすれば見る側をイライラさせるキャラクターになりそうなところだが、なぜか食っちゃ寝する姿が不思議と惹きつけられる。

 山下監督は「ダラダラしたあっちゃんは、きっとかわいい」と構想段階からイメージしていたそうで、映画ニュースサイト「映画.com」のインタビューでは「それが魅力的に見えるのが、あっちゃんの持っている魅力なんでしょうね」と語っている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
新年度も順調に仕事を増やし続けている森香澄
《各方面から引っ張りだこ》森香澄、“あざとかわいい”だけじゃない「実はすごいアナウンス力」、「SNSの使い方はピカイチ」
NEWSポストセブン
4月7日、天皇皇后両陛下は硫黄島へと出発された(撮影/JMPA)
雅子さま、大阪・沖縄・広島・長崎・モンゴルへのご公務で多忙な日々が続く 重大な懸念事項は、硫黄島訪問の強行日程の影響
女性セブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン