芸能

木村拓哉 斎藤工とバディ組む『BG』で引き立て役の新境地

木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』(公式HPより)

 日本のテレビドラマの世界の中心に長らく位置し続けてきた俳優・木村拓哉。今回の作品は、やや位相の異なる印象を視聴者に残すものになるかもしれない。五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。

 * * *
 木村拓哉主演『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系木曜午後9時)はスタートダッシュと思いきや、第3話が放送されるその前に「7月いっぱいで終了」という報道が出てびっくり。ギリギリ7月30日まで放送された場合でも、なんと全7話に短縮されてしまう予定だとか。制作現場を思うと同情を禁じ得ません。

 コロナで撮影が延期になりスタートが遅れただけでなく、そもそも巨大イベント・東京五輪にあわせたボディガードもので特別な警護をする颯爽としたカッコイイ姿を描き出すはずだったろうに。まさしくコロナで多大な影響を被った作品です。

 でも、環境的には悪い条件だけではないはず。新型コロナによってテレビドラマへの関心が高まった。自宅に留め置かれた視聴者は画面に向かい、再放送作品も話題に。中でもガッキーの特別編『逃げ恥』は注目度を上げステイホームの人々を癒やし、逃げ恥ロスの再来現象となりました。つまり、ドラマの新しい役割や視聴の楽しみが再認識されたタイミング。それなのになぜ、『BG~身辺警護人~』は勢いを失い始めたのでしょうか。

 このドラマでキムタクが演じる島崎章は「弱き者の盾になる」という使命を貫くヒーロー。シーズン1ではチーム警護の一員でしたが、今回は組織を飛び出して独立し、私設ボディーガードとして奮闘しています。

 何よりも前作と違う点は、「斎藤工とのバディ物語」になったこと。島崎の背中を追うようにして警護会社をやめた高梨(斎藤工)は「島崎警備」の門を叩いた。そう、バディとして二人が横に並べば並ぶほど、自然に目がいくのが、皮肉にも二人の「違い」です。

●体型 タッパがありガタイの良さが目立つ斎藤さんと、小柄で痩せている木村さんの体型の対比が浮き彫りに。

●胸板 斎藤さんの胸板の厚みはスーツという衣装を輝かせるのに最適。仕立て屋は「スーツは肩と胸で着る」と言っていましたがまさしくそのもの。比較するとどうしても木村さんの胸板は薄く見えてしまいます。

●声の質 深く低い響きのある斎藤さんの声はボディガードとしての安心感にもつながる。比べて木村さんの声は低音の響きが少なくて包容力では劣る。

●年齢 活き活きとした若さや躍動感を感じる斎藤さんに対して「おっさん」と呼ばれる木村さんの成熟ぶり、老いに気付かされる。

 つまり、バディものとは「二人の対比を見よ」ということ。斎藤さんの格好良さが際立てば際立つほど、年を重ねた木村さんの現実も浮き彫りに。必ずしもマイナスではありません。むしろ、斎藤工を輝かすための木村拓哉という新しいポジション、つまり「他の人を輝かせる引き立て役」になれるのだとすれば新境地でしょう。

関連記事

トピックス

中居正広
《中居正広が最後の動画を公開》右手を振るシーンに込められた「意図」 元SMAPメンバーへの想いとファンへの感謝「これまでの、ほんの気持ちをこめて」
NEWSポストセブン
雪が降る都心を歩く人たち。2月5日、「最強寒波」の影響で東京23区を含む平地でも雪が積もった(時事通信フォト)
真冬も白ソックスに生足を強いるブラック校則 批判の一方、学校側の事情「3次募集ですら定員の埋まらない高校なんて厳しく管理しなきゃ崩壊」
NEWSポストセブン
アメリカでは大谷も関わっていたと根拠もない陰謀論が騒ぎを立てた(写真/AFLO)
大谷翔平、アメリカ国内でくすぶる「一平は身代わりだ!」の根拠なき陰謀論 水原一平被告の“大幅減刑”に違和感を覚えた人々が騒ぎ立てたか
女性セブン
フジテレビのドラマ出演を断ったと報じられた菅田将暉
菅田将暉、フジのドラマ出演を断った報道の真相 降板は未決定か、一緒にドラマ作ってきた現場スタッフへの思い抱く
女性セブン
映画の撮影中、酸欠で意識を失っていたことを明かしたトム・クルーズ(Xより)
トム・クルーズ(62)映画撮影でついに“気絶”! 海中シーンでは「自分で吐き出した息を吸い呼吸」 26歳年下恋人も尊敬する“驚くべきヤバさ”
NEWSポストセブン
同じ少年野球チームに所属していた田中将大(左)と坂本勇人
田中将大と坂本勇人、24年ぶりにチームメイトになった2人の“野球観の違い”を少年野球時代の監督が明かす「とにかく張り合っていて、仲良くしていた記憶がありません」
週刊ポスト
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
《遺体が変わり果てている…》田村瑠奈被告の頭部損壊で遺族は“最後の対面”叶わず 父・修被告の弁護側は全面無罪を主張【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
歌手・岡田奈々が45年ぶりにステージへ復活
【伝説の美少女】女優・岡田奈々「45年ぶりの生歌唱」に挑戦か 「自分の部屋で『青春の坂道』を歌っています」
週刊ポスト
ハトを虐待する男(時事通信)
〈私の力は強烈すぎて鳥の大腸を破裂させてしまう〉動物愛護法違反で逮捕された“ハトマスク男” 辻博容疑者(49)の虐待実態「羽をむしり解体」「音楽に合わせて殴打」
NEWSポストセブン
熱愛が明らかになった
【熱愛スクープ】柄本時生、女優・さとうほなみと同棲中 『ゲスの極み乙女』ではドラマーとして活動、兄・柄本佑と恋人役で共演 “離婚を経験”という共通点も
女性セブン
終始心配した様子の桐山照史
WEST.桐山照史&狩野舞子、大はしゃぎのハネムーンを空港出発ロビーで目撃 “時折顔を寄せ合い楽しそうにおしゃべり”狩野は航空券をなくして大騒ぎ
女性セブン
徳永英明の息子「レイニ」が歌手としてメジャーデビューしていた
徳永英明、名曲の名を授けた息子「レイニ」が歌手になっていた “小栗旬の秘蔵っ子”の呼び声高く、モデル・俳優としても活躍
女性セブン