2019年まで6年連続で年間視聴率「三冠王」に輝いた日本テレビ。先に「女子アナ帝国」を築いたフジテレビに対抗すべく、1990~2000年代は女子アナを「グループ化」して売り出していくしたたかな戦略をとった時期もあったが、日テレアナウンサーの安定感の原動力となっているのが、元「サブアナウンサーシステム」だ。
これは、日テレアナウンサーならではの“下積み仕事”で、サポートでスポーツ実況の男性アナの資料集めなどをする。
元・日本テレビの馬場典子アナ(46・1997年入社)は、「日テレならではの独自の教育法」、「下積み仕事も多いですよね。その分、足腰を鍛えられた気がします」と語る。
「元々は1人より2人の目で喋るべき内容を的確に把握するためだったそうですが、今は先輩から後輩が学び、先輩が後輩を支える場となっています。ネタを集めてもすでに先輩が知っていたり調べたりしていて、ゴミ箱行きになったこともありました。でも人によっては何が足りないのかまでは教えてくれない。そんな厳しさもある中で、準備のイロハが学べました」
女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏は、この指導が日本テレビのアナウンサーの強さの秘訣ではないか、と分析する。
「よく『先輩から盗め』といいますが、簡単ではないでしょう。それを体系化することで仕事のコツを肌身で感じることができる。これが日テレの強さの源になっていると思います」
取材・文■河合桃子
※週刊ポスト2020年7月10・17日号