新型コロナウイルスで学校が長期休校となった今春、若者の性や妊娠に関する相談を受け付けている団体には、妊娠を示唆する10代からの相談が相次いで寄せられた──。
若者の性の問題に取り組むNPO法人ピルコンでは、10代からのメール相談が3月には98件、4月には97件、5月には75件とそれまでの約2倍に増加したという。なかでも「生理が遅れていて妊娠したかもしれない」といった相談が、4月と5月で各40件ずつあり、実際に妊娠していたケースも複数あった。
「自粛生活での不安やストレスからか“自暴自棄になって、多くの人と関係を持ってしまった”と話す子や、“SNSで出会った人と性的関係を持たされた”という子もいました」(ピルコン理事長・染矢明日香さん・以下同)
いまの10代はインターネットやSNSで情報を集め、悩みや不安を解消するケースが多いという。その結果、ネットを介して無関係な大人でも、子供たちと簡単につながれるのだ。そして、悪い大人にだまされたり、外出自粛中のストレスフルな家族や同居人から性暴力を受けた子もいるという。
「毎年2~3月は学校で性教育の講演を行うのですが、コロナ禍で中止となり、子供たちに正しい性教育が行き届かなかったことや、いままで抱えていた悩みを相談する時間が取れたことも、相談件数が増えた一因だと思います。しかし、コロナ禍で10代の性行為の機会が増えた可能性は否めません」
コロナ禍の意外な影響がいま、じわじわと表出している。
※女性セブン2020年7月23日号