新型コロナは、これまでの生活を一変させた。在宅勤務が推奨され、自宅で過ごす時間が多くなった。不要不急の外出は自粛を強いられ、自由に外食や旅行をすることもままならない──。
制限だらけの生活に、息苦しさを感じる人は多いだろう。しかし、少し視点を変えれば、これは今までの煩わしい人間関係をリセットするチャンスとなり得る。
フジテレビのアナウンサーとして長年活躍した露木茂氏(79)が言う。
「外出を控えるようになって、友人・知人と直接会う機会は少なくなりました。寂しい気持ちもありますが、私はこれを“人間関係を整理する機会”と捉えています。
私の場合、利害関係だけで成り立っていた方々とは自然と疎遠になってきている。“こういう時期だから遠慮します”とか“コロナが落ち着いたらまた”という挨拶は、本心でもあるのですが、義理で付き合っていた人と無難に距離を置ける言葉です。
我々の世代はコロナを口実にして人間関係をうまく整理していい。本当に親しく、得がたい友人は、コロナが収まってから久しぶりに会っても、すぐ昔に戻れるはずですから」