中国貴州省安順市で7月7日、走行中の路線バスが道路脇の虹山湖に転落し、乗員乗客36人が発見されたが、そのうち21人が死亡し15人が負傷。バスの運転手(52歳)は死亡した。当局が事故原因を調べているが、運転手の故意によるものとみられるという。
中国メディアによると、乗客の中には7日に始まった全国統一大学入学試験の受験生5人が含まれており、うち1人が死亡した。他の4人は負傷して、病院に運ばれており、試験の開始時間には間に合わなかった。
バスは安順鉄道駅から出発し、東バス駅に向かっていた。現場の監視カメラの映像によると、片道3車線の直線道路を徐行していたバスが突然、左にハンドルを切って加速しながら対向車線側に突っ込み、ガードレールを突き破って湖に転落。勢いがついたバスはそのまま水中に沈んでしまった。
通報を受けた安順市警察の救助隊が出動し、湖に潜ってバスの中から乗客を助け出したあと、最終的にレッカー車が現場でバスを吊り上げるなどして救助作業にあたった。
中国紙『北京時報』によると、事故当時バスに何人乗っていたかは不明だが、救助に携わった安順市救助隊・呉建隊長の話として、満員になるほど乗客が乗っていたという。救助された少年も、車両内には「かなり多くの人がいた」とメディアに明かしている。
中国の路線バスをめぐっては、貴州省に隣接する重慶市で2018年10月、乗客と運転手の殴り合いの末にバスが橋から約50メートル下の長江に転落し、15人が死亡・行方不明となる事故が起きている。