加工食品の中で最も加工度が高い「超加工食品」。長期的に摂取すると、糖尿病やがんなどになりやすくなるリスクが指摘されている。冷たい飲み物がおいしい時期になったが、飲み物にも注意を払うべきだ。
「わが家は果汁100%のジュースしか買わない」という人も、油断は禁物。食品ジャーナリストの郡司和夫さんはこう言う。
「果汁100%でも、濃縮還元のジュースの場合、水分を飛ばす濃縮の工程で香りが損なわれるため、香料を加えることになる。コスト面から合成香料が使われることが多く、その中には頭痛や疲労感を引き起こす『酢酸イソアミル』など有害なものもあるので、注意が必要です」
カロリー控えめのダイエット飲料は、思わぬ健康被害が起こるかもしれない。米国・ボストン在住の内科医、大西睦子さんはこう言う。
「人工甘味料は砂糖と比べて最大約5万倍もの甘みを持つ。そのため、人工甘味料を使った飲み物に慣れていると、普通の砂糖の甘さでは満足できなくなり、“甘み中毒”になる懸念があります。そのほか、ホルモンに影響して体内に脂肪を蓄えたり、腸内細菌の代謝異常を引き起こすほか、腎機能障害、脳卒中、心筋梗塞、血管系疾患のリスクを上げるなどの作用が確認されています」
清涼飲料水によく使われる『果糖ブドウ糖液糖』は、砂糖やほかの甘味料と比べて急激に血糖値を上昇させ、「血糖値スパイク」を引き起こす恐れがある。これは糖尿病の前段階といわれ、普段の血糖値は正常なのに、食後などに急激に血糖値が上がる状態のことをいう。
放置すると昏睡状態になる恐れがあるほか、動脈硬化や心筋梗塞、がん、認知症のリスクを高めるという。消費者問題研究所代表で食品表示アドバイザーの垣田達哉さんはこう語る。
「冷たいと甘みを感じにくいため、清涼飲料水やアイスクリームには、甘味料がたっぷり入っています。水分補給の際は、甘味料の入っていないものを選ぶようにした方がいい」
超加工食品の特徴は、「添加物が多く、保存がきき、簡単で、超おいしい」こと。それだけに、完全に断つのは難しいが、できるだけ安全なものを吟味して選びたい。
※女性セブン2020年7月23日号