「東大生」は幼い頃から特別な教育を受けていたのでは? 必ずしもそういうわけではないようです。では、どんな育ち方をしたのか? 『東大卒ママたちに教わる、「東大脳」を育てる3歳までの習慣』(小学館)という本では、「東大卒ママの会」のアンケートデータを基にした、育脳の実践法を多数掲載しています。今回は、その「東大卒ママの会」に在籍する3人の東京大学卒のママ3人に話を聞きました。
【座談会に参加してくれた東大卒ママ】
牧田瑞穂さん(仮名) 32才・法学部卒業・長女(3才)、長男(1才)
木原麻美さん(仮名) 32才・経済学部卒業・長女(4才)、長男(2才)
竹下貴子さん(仮名) 32才・法学部卒業・長男(3才)、次男(0才)
◆がんばった自分をほめてくれたから自信が湧く
──東大卒のかたがどのような家庭で育ったのか、特別なしつけや教えがあったのか、といったところが気になりますが、親御さんの育て方でよかった点を教えてください。
竹下:私は4人きょうだいの末っ子なんですけど、小さい頃からほかのきょうだいと比べられることがありませんでした。「お兄ちゃんは3才でできたんだよ」とか、そういう言葉はまったくなくて、私は私として育ててくれた。それがとてもありがたいと思っています。
牧田:うちもテストの点数などをほかの子と比べるということはなかったですね。
木原:私もそうでした。たぶん、「テストの結果を見せて」と言われたこともなかったんじゃないかな。低学年の頃は親と一緒に宿題をやっていたので、漢字テストで勉強したところが出ていると、「できたよ!」と言って、親が喜ぶ顔を見るのがうれしかったですね。
牧田:とにかくよくほめてくれました。放任主義というか、あれこれダメというのもなく。もちろん親だって人間なので感情的になることもあると思うんですけど、ほめるポイントをきちんと押さえてくれていたなと思います。例えばテストにしても、「この前できなかった問題ができていたね」とか、何をがんばってそういう成果になったのかをきちんと見ていてくれて。ほめ方が上手だったのかもしれないですね。
木原:私は人に迷惑をかけたり悲しませたりすることだけはやってはいけないと言われていました。お友達のおもちゃを取ったり、持っていない子の前で見せびらかしたりとか。でも、宿題をやっていなかったりすることで怒られることはなかったですね。自分自身のことは自分で管理しなさいという教えでした。
竹下:親のしつけでいちばん役に立ったのは早寝早起き。小さいときから朝5時には起きて、「やらなくてはいけないことをやってから自分のしたいことを自由にしてもいいよ」というのが母の口癖だったので、幼稚園の頃には、起きたらまず公文をやって、終わったら朝ご飯ができるまでの間、テレビを見たり外で遊んだりしていました。それが習慣になっていたので、受験のときも学校に行くまでの時間を勉強に割くことができたんだと思います。
木原:ルーティンでいえば、「今日、こんなことがあったよ」と学校であったことを毎日話していました。お風呂のときや母が料理を作っている後ろでしゃべるんです。話をまとめて伝える力はそこで養われたと思います。親子の会話は多かったですね。私の母はいまだに友達の名前を覚えていてくれます。
牧田:わかる! 「○○ちゃんは最近、元気?」って。
──ちなみに、ゲームで遊んでいたりもしたんですか?
一同:やってました(笑い)。
牧田:『ポケモン』とか『たまごっち』とか。
木原:私は『テトリス』が好きでした。小さいキーホルダーについたやつ(笑い)。
牧田:私の場合は親が共働きで鍵っ子だったので、自分の家に友達を呼んで、みんなでゲームをしていました。1時間ほど遊んで夕方に解散していました。
※女性セブン2020年7月30日・8月6日号