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ドラマ化決定の柴門ふみ『恋する母たち』10年以上温めた題材

ドラマ化が決定した『恋する母たち』作者の柴門ふみさん

 開始から3年半、『女性セブン』で連載中の柴門ふみさんによる漫画『恋する母たち』が、次号で最終回を迎える。母として女として惑いながら生きている“恋する母”たちを描いたその期間は、ちょうど芸能界での不倫騒動が次から次へと報じられたそれと重なる。今秋には連続ドラマ化が決定し、『女性セブン』でのスピンオフ連載も近日スタート。回を重ねるごとに反響が大きくなった「恋母」で、柴門ふみさんが“本当に描きたかったこと”とは何か。話を聞いた。

 * * *

『東京ラブストーリー』(小学館)からおよそ30年、“恋愛の神様”と呼ばれた柴門ふみさんが選んだテーマは「母の恋」。それは、10年以上温めてきた題材だったという。

「私が40代の頃、ママ友から聞いた話や、相談を受けた悩みがベースになっています。でも、実際に不倫した人なんてほんのほんのわずか。みんな、“夫のこんなところがイヤだ”“お姑さんとの同居がうまくいかない”“子供が言うことを聞かない”という悩みや愚痴と同じように、“ちょっと恋しちゃってるかも”“夫以外の人とデートするの”と浮かれているだけ。決してそれだけに夢中になってるわけではありません。

 でも、その何気ないトキメキや恋の要素が日常に必要なのがアラフォーなんだと思いました。いつかきっとこれをマンガにしたいと思っていたんです。50才を過ぎて初期の乳がんに罹患したとき、“まだ私は描ききっていない、女性をどうしても描きたい”と、温めていた思いが募り、ようやく形になりました」(柴門さん・以下同)

 子育てにちょっと余裕ができるとき、そして女性特有の体への変化が訪れるのがアラフォーだ。

「初潮を迎えた思春期の女子って恋のことばっかり考えてるでしょ。閉経前の女性も同じような感じなんです。ホルモンバランスが崩れて、ジェットコースターのようにバイオリズムが乱れます。夫に対して生理的嫌悪感を抱いたと思ったら、急に火照ってしまって欲求が高まったり。自分でもどうしようもない。でもそれって男性には全然わからないことだから、伝わらない。

 欲求が高まっているときに、くたびれた夫は相手にしてくれなくて、ちょっとやさしくしてくれるほかの男性にキュンとしてしまう。“ホルモンの奴隷”になっている40代中盤~後半の女性が恋をするというのは、そこにリアルがあります。命の根源はエロスで、恋は結局性欲ですからね(笑い)」

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