開幕前は、複数の評論家がセ・リーグ優勝を予想するほど前評判が高かった横浜DeNAベイスターズ。しかし、開幕1か月が過ぎた時点で、12勝14敗の4位で首位・巨人に5.5ゲーム差をつけられている(記録は7月19日現在。以下同)。17日からの巨人との3連戦では、いずれも2点差以内の接戦を落として3連敗を喫した。ラミレス監督の個性的な采配にも疑問の声が出ているようだ。
カード初戦では1対2とビハインドの5回裏、1死一塁で9番・投手の井納翔一が強行策に出て三振。激しく雨が降り、コールドゲームが十分に考えられる状況でも、井納にバントをさせなかった。試合後、ラミレス監督は足の遅い戸柱恭孝がランナーだったため、ダブルプレーの可能性を考慮したと話した。また、ベンチにはこのままの天候が続くという情報も入っていたようで、コールドは頭になかったという。3戦目にも1対0とリードした2回裏、1死一塁で9番・投手の平良拳太郎に打たせて、右飛に。1番の梶谷隆幸は中飛に倒れ、無得点でチェンジとなった。野球担当記者が話す。
「いずれも常識で考えれば、バントでしょう。もちろん、常識に従うことがいいわけではないですし、型破りな采配でラミレス監督がDeNAをAクラスに押し上げてきた面もある。しかし、確率的に考えて、投手に常にヒットを期待するのは酷というもの。普段、データや確率を重視するラミレス監督が、最も効率の悪い作戦を行なう不思議な采配でした」
3戦目、3対2と1点リードした9回表、守護神の山崎康晃がマウンドに上がったものの、2死二塁から丸佳浩の内野安打で、二塁走者の増田大輝がホームイン。巨人が同点に追いつくと、ラミレス監督は回の途中にもかかわらず、山崎を降板させた。しかし、代わった国吉佑樹が4番・岡本和真に決勝2ランを浴びてしまった。
「山崎は開幕から調子が上がらないが、この日は球が走っていたし、内野安打2本で同点に追いつかれるという不運もあった。それなのに交代させてしまったことで、山崎は消化不良になる。まして、国吉もまさか登板があるとは思ってなかったでしょうから、準備不足のまま岡本に対峙し、打たれてしまった。味方の主力2人にダメージを与えたうえ、この3連戦ノーヒット8三振だった岡本を蘇らせてしまった」