今年7月、記録的な豪雨が九州から本州までを襲い、甚大な被害を出した。最も被害の大きい熊本県では2000人を超える被災者が体育館などの避難所に身を寄せた。水害での避難が増え、かつ新型コロナの感染リスクも気にしなければならない。そんな避難所生活のルールとは──。
●ご近所同士は近くにいるべき?
近所の顔見知りや気心の知れた友人などが一緒にいれば心強い。だが、防災アドバイザーの高荷智也氏はこう言う。
「多くの人が新型コロナの感染リスクを恐れるなか、賑やかな集団が同じ空間で近くにいたら“迷惑だ”とネガティブに見られてしまうことがある。顔見知り同士でいると話したくなってしまうため、“声は聞こえないけれど顔が見える程度”が望ましいと思います」
●ソーシャルディスタンスを取るには?
飛沫感染を防ぐために他人との距離を1~2m空けるソーシャルディスタンスが推奨されているが、避難所では収容人数の問題で難しいケースも。
「そうなると、段ボールなどで自分の区画を囲む“物理的な仕切り”が必要になってきます。段ボールを組み立てて壁を作るなど対策しましょう。過去の震災時には、避難所にワンタッチ式の簡易折り畳みテントを持ち込んでパーソナルスペースを確保する避難者も見られましたが、コロナ禍ではこれが大いに役立ちます」(高荷氏)
防災袋に入るサイズのものもあるので、準備しておくのも良さそうだ。