新型コロナウイルス感染拡大の一途を辿る日本で、なぜか感染者が出ない“職業”がある。国会議員だ。
現在、衆議院465人、参議院248人、合わせて713人の国会議員がおり、秘書の感染例こそあるものの、議員が感染したケースは皆無。本誌が確認した限り、地方議員も同様である。
これには堀江貴文氏も、《国会ってあんだけ人いて感染者ゼロってすごいよね。あれは三密じゃないのかな。教えて偉い人》とツイート。
世界を見れば、英国のジョンソン首相やブラジルのボルソナロ大統領といった要人が感染する中、なぜ日本の国会議員はいまだにゼロなのか。元参議院議員の筆坂秀世氏が推察する。
「“議員初の感染者”という不名誉なレッテルが怖くて必要以上に注意を払ったと考えられます。あと、あまり“話していない”ことが大きいんじゃないですか。最近は議会でも一部を除いて無言の人ばっかりでしょ(笑い)。政治家は『言葉が命』なんですが、感染拡大以降はみんな口を閉じてしまっている」
さらに筆坂氏は議員特権も影響していると語る。
「議員会館の個室は広々として秘書と一緒にならない専用スペースがあり、自宅や宿舎には送迎があるから、公共交通機関を使わずにすむ。この時期は陳情や会合もないし歳費は減らないから、民間のように収入減を怖れることなく自粛もできます。国民がマスクを手に入れられず苦しんでいた時も、国会議員のコネを使えば、簡単に品薄のマスクを入手できたはずです」
※週刊ポスト2020年7月31日・8月7日号