国内

新型コロナ、本当に危険なのは秋冬 ウイルス凶暴化の懸念も

秋冬のコロナ感染者増加が懸念されている(写真はイメージ)

「新型コロナウイルスの市中感染が起こりつつある」。これは専門家の共通認識だ。かつては「3密」を回避すればいいとされていたが、すでに蔓延しているとあれば、その恐怖はあなたのすぐ隣にあるのだ――。

 小池百合子都知事は7月9日の記者会見で「陽性と判明して連絡したら、その後、連絡が取れなくなった人がいる」と明かした。隔離や検査を拒否する人々は実際に存在し、いまも街中を出歩いている。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんはこう話す。

「日本には法的拘束力がなく、新型コロナの症状が出ても検査を受けない人や、陽性判明後に姿を消す人が野放し状態です。そうした人々が、初期段階で大量にウイルスをばらまいている可能性を否定できません」

 軽症のため自宅療養になった人が外出し、コンビニやスーパーを訪れることも同様に感染拡大のリスクを招く。新中野耳鼻咽喉科クリニック院長の陣内賢さんも危惧する。

「いまは高温多湿という季節性で新型コロナの症状や感染力が弱まっている可能性が高いですが、秋、冬に感染力が強くなったときが怖い。人体も低温になるとウイルス感染を起こしやすく、湿度が低くなると鼻粘膜が乾燥してウイルスを侵入させやすい。実際、現在冬のオーストラリアやブラジルで感染者が増えており、日本でも秋冬における状況の悪化が心配されます」

 英イングランド公衆衛生局の副主任医務官で医師のジェニー・ハリーズさんは英紙でこう警告した。

《私や同僚は秋に向けて第2のピークが来る可能性があることを非常に心配している》

 さらにイギリスの閣僚らは、この冬に“第2の国家的ロックダウン”の恐れがあることを認めたと報じられた。本当に恐ろしいのは夏から秋冬にかけて、コロナリスクが複合的に増すことだ。

「若者から重症化しやすい高齢者への感染が増え、高齢患者が激増する可能性があります。そうなると、ベッド数が足りず医療崩壊するリスクが増します。一方で、脳や肺、心血管などに後遺症が残る軽症者が増加する恐れもある。

 また時間の経過とともにウイルスが凶暴化して死者・重症者が増えることや、インフルエンザとの『W流行』が起こり、インフルエンザワクチンの需要が高まって不足する可能性もあります。夏を無事に乗り切ったとしても、秋冬に何が起こるかは決して楽観視できません」(一石さん)

※女性セブン2020年7月30日・8月6日号

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン