ジャニーズ事務所に、入所希望の履歴書が届いた。目を通したジャニー喜多川社長(享年87)が一目で気に入り、本来行われるはずのオーディションを飛ばして即合格。来年3月いっぱいでの退所が発表された長瀬智也(41才)のアイドル人生は、異例のスタートだった。
長身の男らしいルックスとワイルドな顔立ち、女性だけでなく男性からの人気も高く、アイドルとしては異色。ジャニーズ内では、なにかと“特別”な存在だった。
1990年に11才で入所。それからわずか2年後、TOKIOの結成前に役者としてデビューするのだが、これは演技力が群を抜いていたからといわれている。1993年に『ツインズ教師』(テレビ朝日系)でドラマに初出演すると、1995年には『カケオチのススメ』(テレビ朝日系)で初主演を務め、2000年には長瀬の代表作の1つ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)に主演する。こんなエピソードがある。
「『池袋~』はアンダーグラウンドの世界が舞台で、決してイメージがいい作品ではありません。すでにこの頃には長瀬さんの知名度は高かったので、事務所内ではイメージダウンを危惧する声もあったといいます。でも長瀬さんはこの役は自分にしか表現できないし、挑戦してみたいと譲らなかった。話し合いを重ね、長瀬さんの意向が尊重されました。結果、イメージダウンどころか、さらに人気を集めることになったんです」(芸能関係者)
アイドルでは尻込みする役どころにも、やりたいと思ったら真正面から果敢にチャレンジするのが長瀬だった。それが今回の退所にもつながるのだという。
「長瀬さんは、TOKIOの楽曲制作を担当してきました。曲を通してファンに楽しんでもらうのは、長瀬さんがやりたかったことです。ところが、山口達也さんの脱退で音楽活動は休止となり、再開のメドはいつまで経ってもたたなかった。音楽でチャレンジしたいことがまだまだあるのに、それすらできない状況が続いていたんです」(別の芸能関係者)
長瀬はファンクラブサイトで、今後について《芸能界から次の場所へ向かいたい》とコメントしている。
「もともとクリエーター気質といわれていたので、次の場所というのは、“裏方”を指しているといわれています。音楽制作や映画製作などに力を入れていくのではないでしょうか。実際、今年の2月には原宿の路上で映画撮影を行っていて、すでに撮り終えて編集段階に入っているようです。自分と同じ感性を持っている人に目いっぱい楽しんでもらえるように、作中で使う音楽も自分で作っているようですよ。
それとは別に、『池袋~』でタッグを組んだ宮藤官九郎さん(50才)から脚本を学ぶなんて噂も聞こえてきます」(スポーツ紙記者)
※女性セブン2020年8月13日号