エンゼルスの大谷翔平(25)にとって693日ぶりのマウンドは“悪夢の舞台”となってしまった。アウト1つ奪えず5失点で降板――大谷といえど、トミー・ジョン手術からの復帰は容易ではなかった。その後、2試合連続となるホームランを放ったが、投手としては復活への道は不透明と言える。
「今季はシーズンが60試合しかない。来シーズンに向けての調整と割り切ったほうがよいと思います」
そう助言するのは阪神で活躍した遠山奨志(現・昭治)氏だ。1985年ドラフト1位で阪神に入団し、1年目に8勝を挙げたものの、その後は成績が低迷。1990年オフにトレードでロッテに移籍し、外野手に転向した。1998年には入団テストを経て、古巣の阪神に投手として復帰し、翌1999年に約10年ぶりの勝利を手にした。
「大谷はもともとコントロールがいいタイプではなく、腕の振りで投げる選手です。160キロ以上を投げるためには強く腕を振れないといけない。メスを入れると腕を振ることに怖さが出てくる。克服するには1~2年かかります。
本来ならトミー・ジョン手術明けの選手はマイナーで投げるなど段階を踏んでメジャーに立ちますが、今年は新型コロナの影響で中止になっている。紅白戦やブルペンでの調整だけでは難しいはず」(遠山氏)