「芸能界は宝くじみたいなもの。ぼくも100回ほどオーディションに落ち続けて、ようやく夢をつかみました」
そう語るのは歌手の藤澤ノリマサ(37才)。2008年に25才でデビューと遅咲きながらも、ポップスとオペラを融合した「ポップオペラ」で注目を集めている。
軽快なポップス調からサビではベートーヴェンの交響曲第九番に転調するといった具合に1曲の中で歌唱法を変え、「何人で歌っているの?」という声も寄せられるほど圧倒的な歌声は心地よく、聴く人を魅了している。その唯一無二の歌が評判を呼び、“あのグループ”からオファーが届いたことも。
「SMAPの皆さんがポップオペラをやってみたいと言ってくださり、2008年にアルバム曲『ひとつだけの愛~アベ・マリア』を提供しました」
楽曲制作も手掛けるノリマサの“作曲家デビュー”は小学5年生。国語の詩の教材にメロディーをつけたところ、「わが町のモーツァルト」と地元紙で紹介されるほど話題になった。独自の音楽を確立したいま、自身にキャッチコピーをつけるとするならば――。
「“歌う心の処方箋”でしょうか。『人生を諦めかけたときにノリくんの歌が耳に入ってきて思い留まることができた』なんて声をいただくこともあり、ぼくの歌で誰かの心を癒せるならばどこへでも歌を届けに行きたいです」
コロナ禍で大切な人がそばにいる“当たり前”のありがたさが身に染みたことで最近の楽曲制作に変化があったという。
「沢田知可子さんとのデュエット曲『I feel』や自粛期間に制作した『STAY HOME』など、以前に比べより深く命と向き合う楽曲が増え、歌う際にも届け方の意味が変わってきたようにも思います」
9月には東京・大阪・愛知でコンサートを行う予定のノリマサ。
「演劇や音楽は心を癒す力があると思います。ぜひぼくの音楽にも生で触れてみてください」
【Profile】
◆藤澤ノリマサ(ふじさわ・のりまさ)/1983年3月8日生まれ。北海道札幌市生まれ。2008年にメジャーデビュー。ポップスとオペラの歌唱を融合させた独自のスタイルを披露し反響を呼んでいる。9月21日から「ノリマサ スペシャルコンサート2020」を開催予定。詳細は公式HPへ。
※女性セブン2020年8月13日号