芸能

韓国アイドルの“人気の証”、地下鉄に急増する「応援広告」

ソウル地下鉄駅構内にあるIZ*ONEのミンジュの誕生日を祝う応援広告(写真/ソウル交通公社提供)

 10~20代の若者を中心に大人気の韓国アイドルグループ。その人気は今やアジアを超えて欧米にも拡大している。韓国では、そんなアイドルを支える熱狂的なファンによる独特の応援方法があるようだ。ソウル在住のKDDI総合研究所特別研究員・趙章恩さんが解説する。

 * * *
 ソウル地下鉄駅構内を歩くと、壁や柱に設置されている電子看板、大型ビジョンのほとんどがアイドルの広告で埋め尽くされている。日本でも駅に設置された企業の広告をよく見かけるが、実は韓国の場合、この多くは企業が出した広告ではなく、ファンが募金して設置したもの。ファンが自費でお金を出してアイドルの誕生日を祝ったり、兵役などからのカムバックを祝ったりして、“推し”の応援広告を出しているのだ。

 広告には、応援メッセージが書かれた付箋がたくさん貼られており、この付箋の多さが“人気の証”とも言われる。付箋の管理もファンクラブが行っていて、迷惑にならないよう定期的に回収していた。誰もが知る有名なアイドルだけでなく、自分で自分を売り込むために広告を出す芸能人や、一般人が友人の誕生日祝いに広告を出すケースもある。

 応援されたアイドル本人が広告の前で「認証写真」を撮り、SNSに投稿したりしてファンに感謝の気持ちを表したりもすることもあり、ファンとアイドルをつなぐコミュニケーションの場にもなっている。ファンにとっては、自らがお金を出して設置した広告に本人がレスポンスをしてくれる嬉しさもあり、韓国国内や海外のファンがわざわざソウルに来て好きなアイドルの広告を巡る「巡礼応援」も活発に行われているようだ。

 韓国の広告市場は、ウェブサイトや動画サイト向けのデジタル広告が急増する一方で、伝統的な地上波放送や新聞・雑誌、屋外広告は右肩下がりの状況だ。広告市場に占めるデジタル広告の割合は2020年に半分を占める見込みである。ひと昔前までは、地下鉄駅構内も広告がほとんどなく白いボードばかりが目立ったが、韓国のアイドル業界が過熱するのに伴い、熱心なアイドルファンの「自分の推しの魅力を皆に知ってもらいたい」という思いが広がり、地下鉄の空いた広告スペースがあっという間に応援広告でいっぱいになった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

出産を間近に控える眞子さん
眞子さん&小室圭さんがしていた第1子誕生直前の “出産準備”「購入した新居はレンガ造りの一戸建て」「引っ越し前後にDIY用品をショッピング」
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《永野芽郁が見せた涙とファイティングポーズ》「まさか自分が報道されるなんて…」『キャスター』打ち上げではにかみながら誓った“女優継続スピーチ”
NEWSポストセブン
子育てのために一戸建てを購入した小室圭さん
【眞子さん極秘出産&築40年近い中古の一戸建て】小室圭さん、アメリカで約1億円マイホーム購入 「頭金600万円」強気の返済計画、今後の収入アップを確信しているのか
女性セブン
2場所連続の優勝を果たした大の里
《昇進当確》大の里「史上最速綱取り」がかかった5月場所の舞台裏 苦手な相手が続いた「序盤の取組編成」に様々な思惑が交錯
週刊ポスト
カジュアルな服装の小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットで話題》小室眞子さん“ゆったりすぎるコート”で貫いた「国民感情を配慮した極秘出産」、識者は「十分配慮のうえ臨まれていたのでは」
NEWSポストセブン
公益社団法人「日本駆け込み寺」元事務局長の田中芳秀容疑者がコカインを所持したとして逮捕された(Instagramより)
《6300万円以上の補助金交付》トー横支援「日本駆け込み寺」事務局長がコカイン所持容疑逮捕で“薬物の温床疑惑”が浮上 代表理事が危険視していた「女性との距離」
NEWSポストセブン
有名人の不倫報道のたびに苦しかった記憶が蘇る
《サレ妻の慟哭告白》「夫が同じ団地に住む息子の同級生の母と…」やがて離婚、「息子3人の養育費を減らしてくれと…」そして驚いた元夫の現在の”衝撃姿”
NEWSポストセブン
“極秘出産”していた眞子さんと佳子さま
《眞子さんがNYで極秘出産》佳子さまが「姉のセットアップ」「緑のブローチ」着用で示した“姉妹の絆” 出産した姉に思いを馳せて…
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《日本中のヤクザが横浜に》稲川会・清田総裁の「会葬」に密着 六代目山口組・司忍組長、工藤會トップが参列 内堀会長が警察に伝えた「ひと言」
NEWSポストセブン
気持ちの変化が仕事への取り組み方にも影響していた小室圭さん
《小室圭さんの献身》出産した眞子さんのために「日本食を扱うネットスーパー」をフル活用「勤務先は福利厚生が充実」で万全フォロー
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン