3月にハリウッドセレブの新型コロナ感染者第1号となったトム・ハンクス(64)。7月に配信開始された新作映画の記者会見で久しぶりに公の場に姿を見せた。
会見ではマスク、ソーシャルディスタンス、手洗いの重要性に言及。「(その3つが)できない人々に言いたいのは『恥を知れ』という台詞だ」と語気を強めた。
その背景には、米国を覆う“マスク分断”の社会情勢があるという。在米ジャーナリストの志村朋哉氏が語る。
「米国では日本のようにマスクをつける習慣がなく、顔を覆うことが犯罪集団を想起させることもあり、“マスク着用反対派”が一定数います。彼らを巡って暴力事件や銃撃事件も発生している」
そうした反対派に対して、ハンクスの発言がマスク着用を考えさせる効果も生んでいると、在米ジャーナリストの高濱賛氏が指摘する。
「アメリカの世論にハリウッドスターが与える影響力は大きい。ハンクスファンには、コロナを楽観視するトランプ氏を支持し、マスクを着用しない人々が大勢いるはずです。ハンクスの発言でトランプ氏の感染対策が間違いだったと振り返る人が増えれば、11月の大統領選の結果にも影響するかもしれません」
トランプ氏は7月下旬からマスク着用を呼びかけ始めたが、ハンクスの発言を意識したのかも?
※週刊ポスト2020年8月14・21日号