生きていると別に話したくないけど、なんとなく間をつなぐために話したり、気まずい空気をごまかすために雑談をしたりという機会も多いだろう。でも、いざ話しかけてみたけど、話が続かず、逆に空気が悪くなってしまうこともある。どうにかして、スマートに雑談できるようになりたい!という人も多いはず。
明石家さんまに学ぶプロの雑談術
雑談力をつけたいなら、しゃべりのうまい人の例を見習うのもおすすめだという。たとえば、おもしろい話ができるお笑い芸人だ。
「雑談上手とは会話のキャッチボールがうまい人だと思うんです。お笑い芸人の中で、それがもっともうまいのが、明石家さんまさん。彼にかかると、どんな人との会話でもおもしろくなります」
とは、多くのお笑い芸人の会話術を間近で見てきた放送作家の田中イデアさんだ。
語彙力や機転、空気を読む力などは、一朝一夕では真似できないが、すぐに活用できる技もあるという。
「大きな声で話してよく笑うなど、大きなリアクションをとることです」(田中さん)
たとえば、スーパーマーケットで苦手な人を見つけたとき、隠れたり、あいさつだけしてやり過ごしていませんか? そんなときはこうしてはどうかと田中さんは言う。
「さんまさんを真似て、大きな声で元気に、“おはようございます~! 朝からやかましくてすみませんね~!!(笑い)”などと言ってみる。ただのあいさつですが、表面上だけでも明るく楽しい雰囲気を心がけると、“あの人の雰囲気いいよね”“話しやすそう”と、相手から話したくなるような状況に持っていけます。何も上手なトークをしなくてもいいんです。相手に話したいと思わせる雰囲気をつくることも大切です」(田中さん)
会話のテンポも重要だ。
「あるとき、さんまさんがプライベートで声をかけられました。相手は一般人でしたが、“お~、久しぶり”と答えたんです。相手が“いえ、はじめましてなんですけど…”と返すと、“なんやねん!”と即座にツッコミ、周りを笑わせてくれました。さんまさんの場合、会話においては、躊躇した方が負けみたいなところはありますね」(田中さん)
たとえば、「いまからどこへ行くんですか?」と聞かれて答えたくないとき、「いえっ、別に…」と躊躇してしまうと、聞いた相手にまずいことを聞いたかなと気を使わせてしまう。雑談は内容がなくても、その場を明るく楽しい雰囲気にすればよいので、「ちょっとそこまで!」と明るく返せばいい。「銀行に振り込みに行く」など、真面目に真実を答える必要はない。意味がない言葉でも、テンポよく返すだけで楽しい雰囲気になり、雑談は成り立つのだ。