会話に詰まってしまって、何となく気まずい雰囲気になってしまう──老若男女を問わず、誰にもでもそんな経験が1度や2度はあるはずだ。いつもテレビで見ている人気芸能人たちは、どんな雑談テクニックを駆使しているのか? ここでは3人の例を見て、その会話術を学んでみたい。
今やテレビで見かけない日はない指原莉乃(27才)。彼女は、あえて“空気を読まない”ことでツッコミを入れさせるのがテクニックだ。心理カウンセラーの桐生稔さんはこう分析する。
「どんな発言をすればその場が盛り上がるかを見極めて話しています。場面によっては、みんなが引くような発言をすることもあるけれど、それはあえて空気を読まない発言をして、周りの人がツッコミを入れられるようにしているんですよね」(桐生さん)
お笑い芸人としての活躍もさることながら、司会者としても抜群の腕を持つ「くりぃむしちゅー」の有田哲平(49才)は、「“フリ”を意識したトークで“オチ”をより鮮やかに見せる」という高等テクニックを駆使している。多くのお笑い芸人の会話術を間近で見てきた放送作家で『人見知り芸人に学ぶ 無理をしない社交術』などの著書がある田中イデアさんはいう。
「状況や設定を紹介する“フリ”を丁寧に話すことで、オチをよりおもしろく効かせる技がうまいんです。たとえば、有田さんのお父さまが亡くなられたとき、葬儀に出席した相方の上田晋也さん(50才)が、家族でもないのに献身的に手伝ってくれたそうなんです。
最後に有田さんのお母さまが、残っているみなさんにラーメンの出前をとろうと提案すると、上田さんが手を挙げて、“お母さん、1つ大盛りでね!”と言ったとか。上田さんの献身を感動的に話したうえで、“大盛りで”のオチをもってきたので、よりおもしろみが増したんです。お見事ですね」(田中さん)
モノマネを得意とするお笑い芸人の横澤夏子(30才)は、雑談テクニックも抜群。オーバーリアクションでも嘘っぽく感じないから、どんどん話したくなってしまう。お笑いコンビ・おかずクラブのゆいP(34才)はこう語る。
「夏子とは同期なのでよく話すんですが、誰に対しても、とにかくリアクションが大きくて、こちらの言ったことをよく笑ってくれる。リアクションって大げさすぎるとわざとらしくて逆に嫌みに映るけど、夏子の場合は、まったくそう感じられないのがすごい。自分がどうすれば相手が喜ぶかがわかっているんですよね。夏子のだんなさんも、彼女のリアクションがかわいくて惚れたみたいですよ」(ゆいP) スマートに使いこなすのはなかなか難しいそうだが、参考にはなりそう。これを使えばもう雑談は怖くない?
※女性セブン2020年8月20・27日号