かつて東京は水の都と呼ばれ、江戸の街には堀や水路が縦横に張り巡らされ、水運の大動脈だった隅田川に多くの船が行き交った。今では陸上運送の発達によって多くの水路が埋め立てられたが、都内には現在も107の河川があり、その全長は858キロにも及ぶ。涼風に吹かれ、水面を眺めながら、都会の喧噪から離れた至福の時を過ごせる東京の水上散歩が楽しめるツアーを紹介しよう。
TOKYO CRUISE「エメラルダス」
アニメに登場する宇宙船をイメージさせる、漫画家・松本零士氏がデザインを手がけた観光船「エメラルダス」。就航は2018年。隅田川を通り浅草~お台場間をノンストップで運行。船内ではビールなどの飲み物も販売され、有料コンパートメント席もある。乗船定員100名。船内では松本氏の代表作「銀河鉄道999」のキャラクター、星野鉄郎やメーテルによる観光アナウンスが流れる。
・厩橋:隅田川にかかる3連アーチの厩(うまや)橋は、台東区蔵前と墨田区本所を結ぶ。台東区側に幕府の馬小屋があったことからこの名がついた。
・中央大橋:八重洲通りが通る中央大橋は、1993年に完成した新しい橋。主塔から伸びる32本のワイヤーケーブルが、帆船のように見える美しいデザイン。
・東京スカイツリー:予約は出航5分前まで可能。浅草桟橋を出るとすぐに東京スカイツリーやアサヒビール本社の炎のオブジェを間近に望める。
・フジテレビ:お台場が近づくと、天気が良ければ屋上デッキが解放され、外の風を楽しめる。お台場船着き場の目前はフジテレビの社屋。
【所要時間】約55分
【料金】大人1720円、6~11歳860円
【運航日・出航時間】公式ホームページ(https://www.suijobus.co.jp)で要確認
【運航会社】東京都観光汽船
撮影■内海裕之
※週刊ポスト2020年8月14・21日号