3月初旬、新型コロナに感染したことを知りながら「ウイルスをばらまく」と語って来店した男(当時57・3月18日に死亡)によって、営業自粛に追い込まれた愛知県蒲郡市のフィリピンパブ。店内にいたホステス1名も感染した。あれから5か月、店はどうなったのか。オーナーが取材に応じた。
「5月8日に営業再開しましたが、ほとんどお客様が来ない日が続きました。特に5月の売り上げは普段の1割程度。当初は男性の遺族への損害賠償も考えましたが、奥様と息子さんが謝罪に来られたので、やめました。ネットなどで店の名前がバンバン出たので、興味を持って来店されるお客様もいたのですが……」
現在、客足は戻りつつあるものの、ホステスたちにはいまだトラウマが残っているという。
「3月までは平日でも10~15人、週末には20~30人のホステスが出勤していました。しかしあの件以来、店に出てくれる女の子が激減してしまって……。5~6人しかお店に出てくれない日もあります。
お店に出てくれるホステスも、遠方からのお客様やご新規のお客様だと“感染リスクがある”と接客したがらない。知らないお客様が来るとトイレに隠れてしまう女性もいます。感染してしまったホステスは今も出勤できないままで、男性を担当していたホステスも『コロナが怖いから』とフィリピンに帰国してしまった」(同前)
店の入り口には「店内空間除菌中」の文字が。至るところに消毒液のボトルが置かれている。30万円かけてAI検温器も導入したという。