都会の喧騒を抜けて船に飛び乗れば、非日常の景色が待っている。かつて東京は、水の都と呼ばれていた。江戸の町には堀や水路が縦横に張りめぐらされ、水運の大動脈だった隅田川に多くの船が行き交った。
都内には現在、107の河川があり、その全長は約858キロにも及ぶ。陸上運送の発達によって多くの水路が埋め立てられたが、残された水辺は観光スポットとして人気を集めている。都心を流れる日本橋川の沿岸には、今も江戸城の石垣が残り、石造りの橋をくぐると、在りし日の姿に想いを馳せることができるだろう。見慣れた現代の風景も、水上から眺めると新鮮だ。臨海地区には東京港の美しい景観が広がり、2020東京五輪の関連施設や豊洲市場も間近に迫る。
江戸時代、人々は隅田川で涼をとり、舟遊びを楽しんだ。昔と今の東京を体感できる水上さんぽに出掛けてみてはいかがだろう。
神田川クルーズ 周遊90分コース
日本橋船着場から、江戸城の石垣が残る日本橋川、お茶の水渓谷、名橋が目白押しの神田川(水道橋、聖橋、万世橋、柳橋など40の橋を通過)、隅田川をめぐるコース。名調子のクルーズガイドの解説とともに、江戸時代からの歴史と現代が交錯する景色や名所を川面から楽しめる。
乗船するのは、開放感あふれるオープンエアの「エスエスNANO1号」(定員44名)などの高性能船を使用。飲食物の持込可。水洗トイレ付き。