苦手な人とエレベーターの中で出会ったり、突然道端でバッタリ――。こんな状況でどんな会話をすればいいのか迷う人も多いはず。ここでは、会話上手な芸能人から学ぶ会話術を紹介する。話をしてくれたのはお笑いコンビ・おかずクラブのオカリナとコラムニストのペリー荻野さんだ。
2人揃って、人との距離感が独特な「おぎやはぎ」(小木博明・48才/矢作兼・48才)。彼らのテクニックは、「見たものを感じたままに話し、知ったかぶりがしない」というものだ。ペリー荻野さんはいう。
「『ぶらぶら美術・博物館』(BS日テレ)という番組での切り返しが見事。番組では古今東西の名画や彫刻を紹介しているのですが、見て感じたことをそのまま口にするんですよ。たとえば、版画家・棟方志功の作品について“マンガっぽくていいね”とか“薬師如来はまるでくノ一だね”とか。その発想が笑えますし、知ったかぶりしないところに好感が持てます」(ペリー荻野さん)
今や女芸人としてトップクラスの人気を誇るいとうあさこ(50才)は、おぎやはぎとは対照的に、「会う人のことを事前にしっかり調べ、その上で褒める」というスタイルだ。オカリナ(35才)はいう。
「誰に対しても対応が丁寧で明るいあさこさんは、本当に勉強家。仕事や飲み会などで一緒になる人のことは事前に調べているようで、必ず、“あの番組のあそこがよかったよ”と、ほめてくれるんです。下準備をしないで人に会うことはしないんじゃないかな。それでいて、間違っていることはハッキリ言う。自分が発言すべきこととそのタイミングがわかっているんですよね」(オカリナ)
俳優として活躍しつつ、ワイドショーの司会、バラエティ番組など、八面六臂の活躍を続ける高橋克実(59才)は、「服や髪型など、目に見えることを話題にして空気を変える」というテクニックを駆使している。
「ワイドショー『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)の冒頭、総合司会の安藤優子さんと雑談を交わすシーンがあるのですが、たまに話がかみ合わないことも。そんなときは、“今日は(自分と安藤さんの服の)色が合いますね”と、目に見える情報をもとに、別の話を差し込んで一息つかせるんです。目に見える情報をネタにすると、話を振られた相手も受けやすいので、この話術はうまい!と思いますね」(ペリー荻野さん)
そして、バラエティ番組にひっぱりだこの藤田ニコル(22才)。彼女の得意技が「オリジナルワード」だ。そこで疑問を抱かせて関心を引くのだ。
「ある番組で、“コロナ禍で予約制になったディズニーランドに行くか?”と聞かれ、“自分は思いついたら行く。『場面ディズニー』なので”と答えていました。“場面ディズニー”というオリジナルワードを使うことで、聞く人に疑問を持たせ、結果興味を引かせています。相手に“場面ディズニーってなんだよ”と、聞き直されれば会話も広がります。これはなかなか高等技術ですね」(ペリー荻野さん)
こうしたコミュニケーションの上級者のリアルな雑談術を参考にして、気まずいシチュエーションを乗り越えてほしい。
※女性セブン2020年8月20・27日号