コロナ禍にあり、なかなか気持ちが晴れない人も少なくないかもしれない。そんな中、ワクワクする気持ちを思い出させてくれるのが、オーディション番組だ。現在、『Nizi Project(虹プロジェクト)』に大きな注目が集まっている。どうして私たちは今も昔もオーディション番組に惹かれるのだろう。
1990年代のオーディション番組の金字塔といわれる『ASAYAN』(テレビ東京系)の『男子ボーカリストオーディション』に参加した藤岡正明(37才)。当時を振り返り、ラフな気持で受けたと言う。
「兄の友人の付き添いでついでに受けたんです。当日、コンビニで履歴書を買い、志望動機も適当に“実力試し”と書いて。一次審査は30秒アカペラで歌って終わり。通過するとは思いませんでした」(藤岡・以下同)
最終審査に残るも、最後で落選。だが、これが転機となった。
「最終発表が行われたニューヨークで、スタッフに連れて行ってもらったライブハウスで圧倒されました。これは“場数を踏むことが必要”と思って、その後、オーディションで一緒だったATSUSHIくんと平均週3回ほどライブをしながら武者修行をしてました」
その努力の甲斐もあり、2001年に歌手デビューが決まる。
「あのとき、レコード会社のかたに“『ASAYAN』への出演を宣伝費にしたらかなりになる”と言われ、改めてあの番組の凄さを感じたのを覚えています」
【profile】
藤岡正明●歌手・俳優。1982年生まれ、東京都出身。2005年『レ・ミゼラブル』でのマリウス役でミュージカルデビューし、現在も活躍中。8月には『~The Musical Concert at Imperial Theater 』(帝国劇場)にも出演予定。
※女性セブン2020年8月20・27日号