新型コロナウイルス感染拡大を抑える手立てがないまま、ニッポンの夏が過ぎようとしている。帰省の自粛要請や施設の入場規制によって、行楽客でごった返すはずの場所から人が消えた。日本が初めて経験する異例の夏休みを上空から取材した。
【東京ディズニーランド】
2月29日~6月30日の休園で売上高95%減を発表。現在も入園者数を制限しているほか、イベントの休演などが続き、休園前の賑わいは戻っていない。小写真は2019年7月2日に行なわれたディズニーランドでの七夕イベント。
【富士急ハイランド】
飛沫拡散防止のため無言で絶叫マシンに自ら乗り込んだ社長のPR動画が話題に。累計搭乗者数2200万人を誇るFUJIYAMAや新アトラクション導入などで来場客数の回復を図るが、人影は少ない。
【東名高速道路】
厚木から秦野中井の約15kmの区間の渋滞は夏の風物詩だが、今年は事故による影響以外目立った混雑は見られない。高速道路各社は、今年の渋滞予測を見合わせた。
【浅草】
雷門から続く仲見世通りは人がまばら。老舗の閉店が相次ぐ浅草の人の流れは、前年同月比34.4%減(8月10日時点、内閣官房発表)。「売上ゼロという日もある。このままではどうにもならない」(「ツルヤ」店員)。
【富士山】
昨夏は23万人の登山者で賑わった日本の霊峰も、今年はすべての登山道を閉鎖。例年鈴なりに連なる登山客の姿は一切ない。山頂にある気象庁の観測拠点も、3密を避けるために活動停止を余儀なくされた。
※週刊ポスト2020年8月28日号