7月に始まった「鉄印」プロジェクト。参加する第三セクター鉄道会社40社からは、ご当地の文化や鉄道会社の個性があふれる鉄印が続々と登場している。全国各地の寺や神社の「御朱印」を集めることがブームになったが、これの「鉄道版」といったところだ。
天竜浜名湖鉄道(静岡県)は社長自ら鉄印を記帳し、全国的な話題に。小学生の頃に書道を始め、県書道連盟の師範資格を持つ長谷川寛彦社長は「書きながら一人ひとりのお客様と言葉を交わすことができ、ぜひまた来てくださいとの思いも一筆一筆に込めています」と話す。
社員がデザインした鉄印は300円、社長が書く鉄印は500円と料金に差があるが、“会いに行ける鉄道会社社長”として連日、鉄道ファンに囲まれている。
紙にこだわる会社も目立ち、伊勢鉄道(三重県)の鉄印は鈴鹿の伝統工芸「伊勢型紙」の技法を用いている。一方、道南いさりび鉄道(北海道)の鉄印は、天保2年から続く神事「寒中みそぎ」で有名な佐女川(さめがわ)神社の宮司による筆書きを和紙にプリントしたもの。神社名が記載されていることから、鉄印? 御朱印? と思わず二度見しそうになるが、御利益がありそうな鉄印として人気を集めそうだ。