芸能

ストレッチも披露 新タイプの気象予報士・片岡信和氏とは?

ニュータイプの気象予報士として注目の片岡信和氏(公式ブログより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、気象予報士の新潮流について。

 * * *
 各地に甚大なる被害をもたらした「令和2年7月豪雨」に続いて、8月は40度超えの猛暑、酷暑がワイドショーやニュースのトップ項目となっている。そこに登場するのは、各番組専属のお天気キャスター。原稿を読むだけの「お天気お姉さん」ではなく、資格を取得している気象予報士らである。

かつては“ツッコまれ困り果てる”が主流

 かつて気象予報士は、予報が外れた際、MCからツッコまれ困り果てる、たとえばTBSの「森田さん」(森田正光氏)のようなタイプが人気だった。現在、森田氏は、『Nスタ』でのホラン千秋との掛け合いが視聴者に人気。このパターンは『ひるおび』の気象予報士、森朗氏に受け継がれている。もちろん、森氏にツッコむのはMCの恵俊彰。恵が夏休みなどでスタジオを留守にするときは、弁護士の八代英輝氏がその役割を担う。

『とくダネ!』(フジテレビ系)の「あまたつ」こと天達武史氏は、「森田さん」に次いで、視聴者には“顔と名前がもっとも一致する気象予報士”だと思うが、やはり、ツッコまれキャラ、困り果てキャラだろう。

 このタイプ、女性の気象予報士には見当たらないのである。女性の場合、若くして難しい試験に合格した知性に加えて、美貌を兼ね備えている人が多いからなのか。あるいは、余計なことを言うと「ハラスメントだ」と問題視されてしまうからなのか。たとえ予報を外しても、男性MCからツッコまれて困り果てるというシーンは見られない。

 “イケメンだけではない”気象予報士

 そんな中、全く新しいタイプの気象予報士が出てきた。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で「かたおか天気ショー」を担当している片岡信和(しんわ)氏、35歳である。

 183センチと長身で小顔。同じく長身であり、男性アナウンサーの中では、もっとも小顔でスタイルのいい羽鳥慎一キャスターと並んでも、「それ以上」にシュッとしている。

 登場は2020年3月30日。つまり、今年度からのレギュラーだというのに、羽鳥キャスターら出演者からのツッコミを待たず、前へ前へ出てくる、いわば“自家発電タイプ”。記憶をたどっても、新人でここまで場慣れしている気象予報士はいなかっただろうと思い調べてみたら、彼は気象予報士以外に「俳優」の肩書をもっていた。

 ワイドショーやニュースでの出番がどんどん増え、スタジオとの掛け合いや出演者からの質問に動じることなくスラスラと喋るためにも、気象予報士の中に、実は“喋り手”だった…という人が増えているのは事実。

『news every.』(日本テレビ系)の「木原さん」(木原実氏)は「俳優」であり「声優」。『ミヤネ屋』『ウェークアップぷらす』(いずれも、読売テレビ制作・日本テレビ系)の「蓬莱さん(蓬莱大介氏)も学生時代、タレント活動をしたり、舞台に立った経験もある「俳優」志望の青年だったという。あの『劇団四季』がPRを兼ねた特別企画で、各局ワイドショー出演者のアナウンサーを人気ミュージカルのワンシーンに“主演”させることがあるが、2015年、『ミヤネ屋』と『劇団四季』がタッグを組んだ同企画で、「シンバ」役に選ばれたのは蓬莱氏だった。

「気象予報士」は、今、ワイドショーやニュースにもっとも出演しやすい「資格」だということは、局のアナウンサーらにも当てはまる。女性アナウンサーが家庭教師をつけてまで必死に資格をとろうとするのは、「30才定年説」を回避できるからに他ならない。男性でも、アナウンサーとしてメインで番組はもてなくても「気象予報士」として天気コーナーには定期的に出演することができるのだ。TBSの人気アナウンサーだった小林豊氏は、このパターンの代表格だったように思う。

 そして「俳優」の「気象予報士」たちも、この資格があれば、本業以外のテレビ番組に出ることが可能となるのだ。

ドラマや戦隊モノに出演、CDデビューも

 片岡信和氏に話を戻そう。東京都出身で、2006年、大学時代、オーディション情報誌を見て自ら所属事務所に応募し芸能界入りを果たしたという同氏は、翌年にはテレビドラマに初出演。その翌年には『炎神戦隊ゴーオンジャー』(テレビ朝日系)に出演している。
 
 その後、自作の楽曲でCDデビューも果たし、ミニアルバムをリリース。プロフィールでもっとも驚くのは気象予報士の試験に合格したのが2019年の3月で、その1年後にはもう『羽鳥慎一モーニングショー』で「かたおか天気ショー」なるレギュラーコーナーをもっていることだ。

 まさに「前へ前へ」。恐らく、彼は、俳優よりもテレビ番組にコンスタントに出られるのは「気象予報士」だと気づき、猛勉強をして資格を取得したのではないか。好みもあるだろうが、私が知る限り、全国の男性気象予報士の中でもっともイケメン。羽鳥キャスターも、玉川徹氏をはじめクセの強いコメンテーターを相手にしているときよりも、片岡氏と絡むときは明らかに安らいだ表情でコーナーを進行している。

気象予報士が教えるワンポイントストレッチ

 そんな片岡氏のリードで、同時間帯ワイドショーの中ではもっとも硬派な『モーニングショー』のスタジオが弾ける瞬間がある。氏が教える「ワンポイントストレッチ」だ。

 短い「かたおか天気ショー」のラストなので、ほぼ毎回、時間切れになってしまうのだが、件の玉川氏はコメンテーター席を離れてフロアに。元・乃木坂46のメンバーだった斎藤ちはるアナは即座にストレッチに参加する。彼女の表情がもっとも明るくなるのも同コーナーで、片岡氏のポーズの通り、瞬時に身体をくねらせる様は、実に見事。“乃木坂ファン”“女子アナマニア”には堪らないコーナーではないかと思う。

 とはいえ、すぐにスタジオが温まるワケでもないし、繰り返しになるが本当にアッという間に終わってしまうコーナーだし、カットアウトでCMに入ってしまう日も少なくないなのだが、片岡氏は終始、動じることもなく、自身のテンションをキープしたままなのだ。

 ものすごい「ハートの強さ」も感じてしまう。気象予報士としてのキャリアがまだ浅いからか、春先から「コロナ」で視聴率を稼いできたからなのか、『モーニングショー』が冒頭から「天気ネタ」をやることは滅多にないし、やったとしても、そこに片岡氏が出てくることもない。彼の定位置は、いまのところ、番組エンディングに近い「かたおか天気ショー」のみ。そして同コーナーがバズっているふうでも、まだない。

 が、思えば同番組のコメンテーターであり、タレント気象予報士の第1号でもある石原良純もまた、「俳優」出身で、『FNNスーパーニュース』(フジテレビ系)の天気コーナーで人気を博し、現在に至っている。

「俳優」→「気象予報士」の後、「タレント」「コメンテーター」でブレイクする気マンマン(に私には見える)片岡信和氏が新しいタイプの気象予報士であることは間違いない。おおいに期待している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「複数の刺し傷があった」被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと、手柄さんが見つかった自宅マンション
「ダンスをやっていて活発な人気者」「男の子にも好かれていたんじゃないかな」手柄玲奈さん(15)刺殺で同級生が涙の証言【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場(時事通信フォト)
「日本人は並ぶことに生きがいを感じている…」大阪・関西万博が開幕するも米国の掲示板サイトで辛辣コメント…訪日観光客に聞いた“万博に行かない理由”
NEWSポストセブン
ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
4月14日夜、さいたま市桜区のマンションで女子高校生の手柄玲奈さん(15)が刺殺された
「血だらけで逃げようとしたのか…」手柄玲奈さん(15)刺殺現場に残っていた“1キロ以上続く血痕”と住民が聞いた「この辺りで聞いたことのない声」【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン