現在、第二波のまっただ中という指摘もある新型コロナウイルスだが、春先によくいわれていた「高熱」「においが分からなくなる」「味がしない」といった症状が現れない陽性患者が多い。無症状、軽症の感染者については、重症者や通常の医療のオペレーションを維持するため、病院とは別に用意された指定の宿泊療養施設へ、およそ2週間目安で入ることになる。その宿泊療養をめぐり感染者どうしで溝が深まっている様子について、ライターの森鷹久氏が、レポートする。
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厚生労働省の発表によれば、国内における新型コロナウイルスの感染者の総数は6万1747例、そのうち、現在も入院治療などが必要な人数が1万1873名(いずれも8月23日時点)といい、筆者の周囲でも「身近な人が感染した」という話が相次ぎ、ある人は「自分が感染してしまった」とSNS上で表明。もはや、自分もいつ感染してもおかしくないと痛感せずにはいられない状況だ。幸いにも知人のなかからコロナで亡くなったり、重症化したという人は、まだいない。
「自分は、咳や頭痛、微熱もあったし、重症化して死ぬのは本当に嫌でした。だから、入院中もしっかり安静にしていました。子供はまだ小さく、早く家に帰りたい一心でした」
こう話すのは、都内在住の自営業・岩田祥太さん(仮名・20代)。仲間内の会合で「クラスター」が発生し、自身以外にも数名が感染した。ただ、症状があったのは岩田さんただ一人だったという。
「無症状の知人二人が2週間ホテルに隔離されたんですが、退屈だとか酒が飲みたいとか言っていて、便所でタバコを吸ったといって笑っていました。奴らにとっては、感染と言われても実感が湧かなかったのでしょう。SNS上で、私と言い合いになってしまいました」(岩田さん)