これをモデルとするなら、安倍首相の体調に異変が起きたときに集まるのは菅官房長官、二階幹事長、林幹事長代理、鈴木総務会長、関口参院議員会長の“新・五人組”になる。会合には副総理の麻生氏や党三役ながら総裁候補である岸田文雄・政調会長、石破茂・元幹事長は呼ばれないはずだ。
では、次の総理・総裁には誰が選ばれる可能性が高いのか。先の二階派ベテラン議員はこう読む。
「二階さんは幹事長留任を強く希望している。麻生後継ではそれが望めない。岸田は論外、反安倍の石破でもまとまらないだろう。二階さんは万一のときに安倍路線と政権の骨格をそのまま引き継げるのは官房長官として、安倍総理を長年支えてきた菅さんしかいないと考えている」
反発しそうな麻生派や安倍首相の出身派閥・細田派への対策も前述の「地方創生・未来都市推進議員連盟」の呼びかけ人人脈がものをいう。
「温厚でバランス感覚ある麻生派の鈴木総務会長であれば、会合の席で『麻生さんは総理になるには高齢すぎる』(麻生氏は9月20日に80歳になる)と正論を言われたら反論できないだろう。最大派閥である細田派は分裂問題を抱えており、安倍さんが病気退陣となれば後継者問題でバラバラになりかねない状況だ。菅後継の方針が決まった後に細田会長の承諾を求めれば、派の結束を守りたい細田さんは受け入れざるを得ない。麻生派と細田派が飲めば党内から大きな反対は出ないはずだ」(同前)
そこまで読んだうえでの議連呼びかけ人の人選だとすれば、菅―二階連合が麻生氏より一枚上だ。
※週刊ポスト2020年9月4日号