終戦間もない1945年11月に、日本に駐留していた従軍記者らによって設立された「日本外国特派員協会」(FCCJ)は、政治家から社会的弱者まで様々な人の自由な発言の場として存続してきた。その一方で、世界中からの興味関心が集まる場だけに、会見での応酬も相応に厳しいものになる。
「難しい質問が3回目ですね……」
北朝鮮の選手を日本に招待して一緒に滑るかと聞かれると、羽生結弦は言葉を詰まらせ、天を仰いだ──。忌憚のない質問が飛ぶことで有名なFCCJの会見には池田勇人や佐藤栄作などの歴代首相、インドのガンジー首相、宇宙飛行士のユーリ・ガガーリンなど国内外の大物が招かれてきた。
1990年代に入ると、スポーツ選手や芸能人も続々と登壇。1992年には日本相撲協会の出羽海理事長が「わざと負けることはあるのか」と八百長問題を追及されたり、2006年には著書で赤裸々な男性関係を綴った石原真理子が「芸能界とヤクザの関係」について尋ねられて「それについては話せないのですが……」などと答えたりした。
異例のケースは、1998年の阪神・吉田義男監督。エイプリルフールに“優勝祝賀会見”が開かれ、巨人・長嶋茂雄監督からも祝電が届き、「身に余るお祝辞、ありがとうございます。男として幸せです」と感謝を述べた。
以下に、事件や騒動の当事者たちが行った注目会見の数々を振り返ってみよう。