行政上の境目や、その土地開発の本音から、その場所や近くを利用する人たちを戸惑わせる「境目」がある。埼玉県にある東京都練馬区の飛び地、境にまたがり名前が2つある公園、品川駅の謎について紹介する。
埼玉県新座市で見つけた 練馬区の“謎の飛び地”
練馬区西大泉から埼玉県の新座市に入り、100メートルほど歩くと「練馬区西大泉町1179番」の住居表示に目がとまる。
練馬区のわずか60メートル×40メートルの飛び地だが、宅地開発の過程で1974年に発覚するまで練馬区だと知られておらず、経緯は自治体も把握していない。この“謎の飛び地”には12戸の住宅が建ち、上下水道は新座市、ゴミ処理や小中学生の学区は練馬区が管轄。
「新座市への編入で行政は合意していますが、『不便はない』と住民の同意が得られず進んでいません」(練馬区)。
「あそこは40年くらい前に宅地化されて、当時は6軒でしたが今は12軒に増えました。電話番号も最初は埼玉の局番でしたが、行政と交渉して東京の『03』になったそうです。新座市編入に反対なのは、不動産評価額の関係でしょう。あそこは東京だから周りの新座市よりも少し高いので、新座市になって評価額が下がるなんて誰だって嫌ですからね」(近隣の不動産業者)
名前が2つある“区境”公園
新宿区と渋谷区にまたがる新宿御苑のように、公園の敷地内に区境が通るケースは少なくないが、境界線があると管理する区が変わるため公園の名前が異なることもある。
千代田区と中央区の境にある龍閑(りゅうかん)児童公園は、小さな公園だが真ん中に区境があり、千代田区側は「龍閑児童公園」、中央区側は「龍閑児童遊園」という。