前代未聞のシーズンに戸惑う選手が多いなか、ソフトバンク・柳田悠岐(31)が打ちまくっている。前人未到のタイトル“総ナメ”まで見えてきた。偉業達成の鍵は「打順」が握っている──。
「相手投手からすればいまの柳田はヒットなら儲けもの。インコースの球さばきは見事で、アウトコースも右手1本で跳ね返すなど考えられないバッティングをする。パ5球団の投手は投げる球がない状態ですね」
ソフトバンクや西武などで投手コーチを歴任してきた杉本正氏は、柳田をそう賞賛する。
柳田は8月に調子を上げ、打率は3割6分8厘、15本、38打点(8月19日時点、以下同)。8月14日終了時では打率、本塁打、得点、安打、出塁率、塁打、長打率で“7冠”となっていた。しかも長打率7割2分1厘、出塁率4割8分4厘といった数字は歴代1位に迫る。今季は6連戦が続き負担が大きいが、いまの柳田には追い風だという。
「同一カード6連戦になると、1人のバッターが25~30打席も立つわけで、調子がいい選手は打ち続けられる。柳田には絶好の状況です。中継ぎやストッパーは毎日投げるので、捕手はリードで頭を抱えている」(杉本氏)
「得点」を稼ぐか「打点」を狙うか
この状況下で悩ましいのが、柳田の「打順」だ。工藤公康監督は固定しておらず、今季の開幕当初は3番だったものの8試合で2番、8月19日には今季初の4番を任された。昨季は5番に座ることもあったし、2017年のCSでは衝撃の「1番起用」が話題となった。
打順によって調子の浮き沈みもあれば、狙いやすいタイトルも変わってくる。ひとつでも多くタイトルを狙えるのは何番なのか。