アメリカでは、引き続き学校再開をめぐる与野党勢力の激論が続いている。当初は子供をウイルスから守る施策として学校閉鎖は説得力を持っていたが、最近は保守派からの反撃が勢いを増し、再開に反対する教員組合が矢面に立つ場面が多い。Canada Free Pressほか多くのメディアに寄稿するジャーナリストPeggy Ryan氏は、学校閉鎖は子供を傷つけ、教師を守るものだと批判する。
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左派と右派の意見が食い違っているため、最近は自分の子供が学校に行けば安全なのか危険なのかわからなくなっている。フーヴァー研究所のシニアフェローで、スタンフォード大学医療センターで神経放射線学の主任を務めたScott Atlas博士は、「学校を閉鎖すべきだとか、再開すべきだという主張を証明する科学は存在しない」と語っている。
少なくとも、子供がウイルスに弱い存在だというなら、もっと子供の感染や発症、そして悲しい死のニュースが伝えられるはずだが、そうはなっていない。政治の話を抜きにすれば、科学的にはむしろ、子供はどうやらこの病気に対して抵抗力が強そうだという事実がたくさん報じられている。
子供を守るためにはあらゆる手段を講じるべきだというなら、私たちはプールを再開してはならず、ビーチを永久に閉鎖しなければならない。2017年に、アメリカでは1000人近くの子供が溺死しているからだ。また、私たちは子供から自転車を奪わなければならない。2006年から2015年の10年間で、220万人以上の小児が、自転車が原因のケガで救急治療を受けているのだから。そして、14歳以下の子供は毎年350万人以上、スポーツでケガをしている。スポーツもさせてはいけないことになる。
ほとんどの親は、そうした統計があってもなお、子供に思い切り遊んでほしいと思っている。プールで水しぶきをあげたり、自転車に乗ったり、公園でスポーツをしたり。そして、子供たちが友達と一緒に、学校、クラブ活動、卒業式に集い、新しい冒険を経験してほしいと願っている。決して安全な場所に閉じ込めておきたいと考えているわけではないのだ。
統計を見れば、特に子供たちがウイルスの脅威にさらされているとは言えないのに、なぜ学校は一向に再開されないのだろうか。最初は知事が、そして市長が、さらに教員委員会が、教員組合が、「パンデミックが起きている。危ない」と言って学校を閉鎖した。それを正当化する証拠は必要とされていない。ただ「流行している」と言えば十分なのだ。