常に芸能界の真ん中で活躍し続けてきた郷ひろみ(64才)。コロナ禍で暗いニュースが多い中でも、エッセイ集を発売し、105枚目の新曲もリリースした。数々のテレビ番組にも出演し、自身初のインスタライブを行うなど、制限の多い中でも精力的な活動を行っている。そんな彼の生き方に迫るインタビューを行った。
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スッキリとした小顔、真っ白な歯。そして白いシャツの上からも見て取れる鍛え上げられた肉体は、まったく崩れていない。今年の10月には65才なんて、とても信じられない!
そんな郷ひろみがこの度エッセイを出版。華やかな装丁が目を引くその本のタイトルは『黄金の60代』(幻冬舎)だ。
「意気揚々と連載をスタートさせたものの、書き続けるのは大変でした。いちばん苦労したのはテーマ選び。たとえ旬なお題であっても、このことに関しては、『ぼくが取り上げなくてもいいんじゃない?』というケースもあるわけです。『そんなこと誰でも知ってるよ』とか、『誰でも言えるよ』と言われてしまうようなオチになるなら書く意味がない。独特な、でも、『なるほどね』ってところに着地しないとダメだという、こだわりがありました」
そう言って、少し間を置き、さらに言葉を続ける。
「構成も難しいんですよね。1つのエッセイは400文字詰めの原稿用紙に換算すれば約6枚分と長いので、起承転結がないと伝えたいことが読み手に伝わらない。とはいえ、いつも同じパターンだと連載中はまだしも、本になった場合には単調すぎて面白みに欠けますしね。つまり、エッセイを書くという作業はいろいろと悩ましく、でもそれだけに一冊の本になってうれしい。感慨深いものがあります」
郷ひろみの辞書に妥協という文字はないのだ。すべて自分で考え、細部にわたるまでこだわり抜き、完璧な形へと仕上げていく。ストイックな姿勢は、ステージでも本づくりでも同じだ。
「だってぼくは郷ひろみだから。郷ひろみならどうするの? という客観的な視点で自分を見つめて行動しているのでしょう。特に意識はしていませんが、ステージに立つと自然にスイッチが入るみたいな感じなんですけれどね」
気さくなトーンで話すが、昭和、平成、令和と3つの時代を股にかけて活躍する国民的大スターであることに誰も異存はないだろう。
「ぼくが生まれたのは昭和30年で、終戦から10年しか経ってない頃ですよね。自分でも妙な感覚になってしまうのですが、現実的に約65年間生きてきたんです(笑い)」
「永遠のアイドル」と呼ばれることについて
「奇跡の60代」「永遠のアイドル」と言われることについて、どう感じているのだろうか?
「好きに言っていただければと。歌手とかアーティストとかエンターテイナーとかアイドルとか、いろいろな言い方がありますが、それは見る人が決めること。ぼくは郷ひろみを淡々と続けているだけです。
たとえば『永遠のアイドル』という形容が『若い頃と変わらないね』という意味ならうれしいです。でもぼくは若づくりしようとは思っていません。若々しくいたいとは思っていますけど」