新型コロナの影響で、スポーツは観客数を制限して開催されている。プロ野球もサッカーのJリーグも、試合会場では拍手のみでの応援が定着してきた。スポーツの再開に併せてスポーツくじも始まっているが、最高12億円の当せん金が注目されるMEGA BIG(メガビッグ)は、まだ1等が一度も出ていない。果たして1等はいつ出るのか、ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が確率から考察する。
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今年は新型コロナの影響で、春に野球やサッカーの試合が止まっていた。夏に再開したあと、ようやく頻繁に試合が開催されるようになった。
サッカーの試合観戦に花を添えるスポーツくじも本格的に再開している。今年2月に発売されたMEGA BIGも6月に再開されており、現在は試合の開催に合わせて、毎週1、2回のペースで、くじが行われている。
ところが、MEGA BIGは、これまで1度も1等が出ていない。そのことについて、少し考えてみたい。
なお、あらかじめお断りしておくが、筆者はスポーツ評論家ではなく、サッカーについて一般的な知識しかもっていない。したがって、特定のチームの戦力やチーム間の対戦成績などをもとに専門的な予想を述べることはできない。あくまで統計的な確率だけを頼りに考えることにする。
MEGA BIGの1等当せん確率
まず、簡単にMEGA BIGの仕組みについてみておこう。MEGA BIGは今年2月15日から販売されているスポーツくじの1種だ。スポーツくじにはいろいろな種類がある。大きくは、コンピュータがランダムに試合結果を選択するBIGのタイプと、くじを買う人が試合結果を予想するtotoのタイプに分かれる。
MEGA BIGは、BIGと同じくコンピュータがランダムに試合結果を選択するタイプだ。指定されたサッカー12試合の90分間の試合結果が、くじの対象となる。ただし、試合結果といっても、BIGのように、ゲームの勝敗が対象になるわけではない。対戦する両チームの合計得点数が対象となる。
1つのゲームの合計得点数について、「1点以下=【1】」、「2点=【2】」、「3点=【3】」、「4点以上=【4】」の4通りの試合結果がありうる。12試合すべてについて、コンピュータの選択した結果が実際の試合結果と一致した場合、1等当せんとなる。MEGA BIGは1口300円で、1等はキャリーオーバーがない場合は、最高7億円。キャリーオーバーがある場合は、最高12億円となる。
このキャリーオーバー発生時の12億円という当せん金は、公営競技を除いて、これまでの日本くじ史上最高額となっている。