炎上や批判が起こりやすくなった昨今、復帰の舞台の選別は、かつての芸能界とは様変わりしている。たとえば俳優の場合、まずは動画配信サービスから地上波復帰を目指すケースが出てきた。
ピエール瀧(53)がその例だ。2019年6月に麻薬取締法違反で懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を受けたが、「ネットフリックス」で来年配信予定のドラマ『全裸監督』のシーズン2への出演が決まっている。
「テレビはスポンサーがついているので、不祥事を起こした俳優を起用しにくい背景がある。一方、動画配信サービスや映画は“お客さんは自分でお金を払って見ているんだから文句はないだろう”ということで制作側も起用しやすいのです」(芸能レポーター・石川敏男氏)
一方で、かつては地上波でいきなり復帰するパターンがあった。
ショーケン(萩原健一)は、1983年に大麻所持で逮捕された翌年、ドラマ『宣告』(TBS系)で処刑の時を待つ死刑囚役として主演復帰し、話題を呼んだ。
まったく謹慎せずに済ませた大物俳優もいた。
勝新太郎は1978年にアヘン所持で書類送検されたものの、翌年にはハリウッドから世界配給された日本映画『影武者』の主演に抜擢。ただし、黒澤明監督と衝突して降板したため、ハリウッドデビューは実現しなかった。
「勝さんは不祥事の大きさよりも、スターとしての需要のほうが上だった。事件なんかより『とにかく勝新が見たい』という感じでしたね」(芸能レポーター・二田一比古氏)
※週刊ポスト2020年9月11日号