国際情報

コロナも暴動も「バイデンのせい」にしたトランプ戦術が炸裂

超攻撃型のトランプ・レトリック(CNP/時事通信フォト)

 日本は国のリーダーを選ぶ重大局面を迎えているが、アメリカ大統領選挙も、いよいよ大接戦になって白熱してきた。メディアを巻き込んでムーブメントを作る戦略では、トランプ大統領のほうがうわてである。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏は、「トランプがバイデンを抜き去る日」が近づいていると大胆に予想する。

 * * *
 民主、共和両党の党大会を見て、共和党のほぼ完璧な勝利だと感じた。しかしながら、こんなに早くその効果が出るとは想像していなかった。各種世論調査を分析して平均値を割り出しているReal Clear Politicsによると、共和党大会が終わった直後の各種調査をまとめると、アメリカ全土では引き続きバイデン氏が6.9ポイントほどリードしているものの、肝心要の激戦区では、完全にトランプ氏に流れに乗った。

ジョージア州:45.6対46.7(バイデン対トランプ 以下同)
オハイオ州:47.0対44.7
ミネソタ州:49.3対44.0
アイオワ州:45.0対46.7
ネバダ州:48.3対44.3
テキサス州43.3対46.8

 いずれの州もほぼ統計誤差の範囲内であり、両候補は横一線に並んだと見るべきだ。一時は激戦区の平均で2桁の差をつけていたバイデン氏は、尻に火がつて慌てているはずだ。今週末の同調査では、トランプ氏が逆転し、優勢になっているだろう。大統領選挙では、追い上げる側が有利である。トランプ氏は波に乗った感がある。日本でも同じだと思うが、選挙戦で見ておくべきは、支持率そのものより「勢い」である。

 なにしろ共和党大会は、全面的に作戦勝ちだった。まず、今後も大論争が予想されるコロナウイルス問題については、本来ならトランプ氏と共和党の重荷になる不利な話題であるはずなのに、トランプ氏に言わせると「アメリカで多数の犠牲者が出ているのは中国のせい」なのだ。しかも、その原因を作ったのはオバマ政権が対中外交を間違ったからであり、その政権で副大統領を務めたバイデン氏に重い責任があるという。大胆不敵な主張である。このふてぶてしさがトランプ氏の真骨頂であり、アメリカの保守派たちは、こういうなんでも外国のせいにする論理が大好きなのだ。

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問している佳子さま(写真/アフロ)
佳子さま、外交関係樹立130周年のブラジルを公式訪問 子供たちと笑顔でハイタッチ、花柄のドレス姿も 
女性セブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
山本賢太アナウンサーのプロフィール。「人生は超回復」がモットー(フジテレビ公式HPより)
《後悔と恥ずかしさ》フジ山本賢太アナが過去のオンラインカジノ利用で謝罪 「うちにも”オンカジ”が…」戦々恐々とする人たち
NEWSポストセブン
親日路線を貫いた尹政権を「日本に擦り寄る屈辱外交」と断じていた李在明氏(時事通信フォト)
韓国・李在明新大統領は親中派「習近平氏の接近は時間の問題」、高まる“日本有事”リスク 日米韓による中国包囲網から韓国が抜ける最悪のケースも
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 落合博満の巨人入団をめぐって議論白熱「どう転ぶかわからないけど、ボクは落合を獲るのがいいと判断した」
週刊ポスト
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン