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誤嚥性肺炎 重症化すると「死ぬより苦しい」その症状

誤嚥のため救急搬送された若大将

 8月末の蒸し暑い夜、東京・中央区にそびえたつマンションに、けたたましいサイレン音が鳴り響いた。緊迫した面持ちの救急隊に搬送されていったのは、加山雄三(83才)だった。

「加山さんは夕食時に水を飲んだ際、激しくむせて嘔吐を繰り返したそうです。水が食道ではなく気管に入ってしまう『誤嚥』を起こしたためでした」(芸能関係者)

 誤嚥は、食べ物や飲み物が何らかの理由で誤って喉頭と気管に入ってしまうことをいう。加山は病院への搬送時も意識はあり、容体は安定しているという。その後、軽度の小脳出血を起こしていたことがわかった。引き続き治療を受ける必要があり、当面、芸能活動を休止するという。

「食事中にむせるなんて、よくあること」と思うかもしれないが、“たかが誤嚥”などと侮ってはいけない。

「高齢者の誤嚥は、注意が必要です。誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高いからです。誤嚥性肺炎とは、気管に入った食べ物や飲み物、吐しゃ物などを通じて細菌が肺に入り込むことで発症し、それがもとで死に至ることもあります。肺炎が原因で亡くなる60才以上の人の場合、その96%が誤嚥性肺炎であるというデータもあるのです」(都内の救急救命センター医師)

 誤嚥性肺炎は、ただの肺炎ではない。重症化すると“死ぬより苦しい”と形容されるほどの状態になるという。

「肺機能が大きく低下し、酸素が肺に入ってこない、息を吸い込もうとするほど息苦しくなって、“まるで水中で溺れている状態”と表現する人もいます。一旦、肺の機能が失われると、人工呼吸器なしでは生きられず、寝ている間も装着したまま。身動きが取れず生きているのもつらい状況に追い込まれます」(都内の内科医)

 特に加山のような高齢者にとって誤嚥は、非常に重大なリスクファクターといえる。

 今年4月、芸能生活60周年を迎えた加山。コロナ禍でも、配信ライブを行うなど精力的に活動し、延期になってしまったものの、東京オリンピックの聖火ランナーを務めることも決まっていた。また、8月22日から放送された『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)にも出演し、『サライ』を熱唱する姿を見せたばかりだ。

 しかし、“永遠の若大将”も、傍目には元気なように見えても、人知れず、体の衰えを実感していたという。

 昨年4月、加山は運転免許証を自主的に返納した。

「趣味のテレビゲーム中に反射神経の衰えを感じ、運転が不安になったそうです。いつまでも若々しくスポーツマンのイメージがある“若大将”が免許を返納したことに、世間は驚きましたが、昨今、高齢ドライバーの事故が多発している背景もあり、その潔さに称賛が集まりました」(前出・芸能関係者)

 その後、加山には、追い討ちをかけるようなアクシデントが続いた。免許返納の翌月には、筋トレ中に腰を痛め、診察の結果、腰椎椎体骨折が判明したのだ。

「さらに11月には右脳に脳梗塞を発症し、2週間入院。手のしびれなどの異変に自ら気づいて、すぐに病院に行ったそうです。受診が早かったことが幸いして、脳梗塞による障害や後遺症はなく、翌月には芸能活動を再開させました」(前出・芸能関係者)

※女性セブン2020年9月17日号

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