男性は、安産型の大きなお尻に本能的に惹かれやすいと言われるが、戦後日本では長らく“小尻”が理想とされてきた。『巨乳の誕生』などの著書がある安田理央氏はこう分析する。
「日本人は着物の時代から体型には無頓着でした。それが戦後、洋装の広がりとともに、1967年のツイッギーの来日で、スラリと伸びた脚を持つ小尻の体型が男性に望まれたのです」
さらに小尻を目指すワコールの下着のCMの影響もあり小尻願望が定着したが、1990年代に潮目が変わった。
「イエローキャブ軍団がテレビ番組などで頭の回転の良さを見せ、『グラマーな女性は知的でない』という偏見を解消し、巨乳を売りにするグラドルが数多く誕生しました。しかし、巨乳グラドル市場が飽和してくると、2000年代には“巨尻”で差別化を図るグラドルが登場したのです」(同前)
「オシリーナ」こと秋山莉奈、「尻職人」倉持由香などがその代表格として人気を得た。彼女らの登場で大きな尻がコンプレックスだった女性たちは、お尻をセールスポイントと捉えるようになった。
尻の大きさだけでなく、尻の美しさも目指す女性たちが増えていった。海外セレブたちは尻の自撮り「ベルフィー」を競うようにSNSにアップし、巷では美尻作り専門のジムも相次いで誕生した。「バストはパッドで盛れるけれど、尻は鍛えなければ大きくできない」(ダンサー)という特殊性が、女性たちの尻トレーニング熱に拍車をかけた。
本誌・週刊ポストでは現在、「日本一の美尻グラドル総選挙2020」を実施中。投票期間は2020年9月13日23時59分まで。
※週刊ポスト2020年9月11日号