「“秒”で作れて、かつ、おいしすぎ。ひと口食べたら“ダメ”になってしまう」――SNSには日々、そんな背徳的なウマさのレシピが更新され続けている。
《妻のつまみ食いが止まらずリスみたいになってた》──。料理研究家のジョーさん。は、食に関する企画会社に在籍していた2016年にツイッターでレシピの発信を開始し、その後独立。現在ツイッターのフォロワー数は24万人を超えている。そんなジョーさん。は「伝え方」重視だ。
「140文字(ツイッターで投稿できる文字数の上限)で人の心を動かすには、ストーリーが必要だと思っています。ぼくの場合は、“調理中にキッチンではどんな感じだったか”“食べてくれた人がどんなリアクションをしたか”など、ひとつのメニューをめぐる一連のストーリーが浮かぶように心がけています」(ジョーさん。・以下同)
性別や世代を超えた多くの人に届くように、レシピの「わかりやすさ」にもとことんこだわるジョーさん。は、レシピには、「少々」「適量」といった言葉は極力使わない。塩ひとつとっても、「小さじ1」などと、明確な分量を必ず書くことで、料理に慣れていない人でも迷わず、おいしく作れるように配慮している。
「ビジュアル面でのわかりやすさも追求して、『きつね色』など、調理工程の色もできるだけ写真で確認できるようにしています。実際に買い物する際に役立つよう、一覧的に載せるようにしています。
仕事をしている人が帰り道に買い物しやすいよう、投稿時間は午後7時半頃。自分のサラリーマン時代の帰宅時間がそれくらいだったからです。一方で、昼ご飯のレシピなら、ランチの時間帯に合わせて投稿します」