国内

“変われぬ政治”示した総裁選 記者の緊張感も感じられない

3候補の共同記者会見からは熱意や活気が感じられない(写真/時事通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、9月8日に開かれた石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長3候補の共同記者会見について。

 * * *
 覇気がないというか、活気を欠いているというか、地味というか。9月8日に開かれた自民党総裁選の候補者3人による共同記者会見は、よく言えば淡々と落ち着いていたけれど、悪くいえば熱気が感じられなかった。果たして、これからの政権に期待していいものかどうか判断に迷う。

 菅義偉官房長官が優勢とされ、「次期自民党総裁は菅氏で決まり」と思われている今回の選挙戦。安倍政権を「継承」する候補者か、「転換」へと舵を切る候補者かで分け、その政策や手法を論じるメディアもある。だが、路線はほぼ継承へと決まっている。安倍首相を神輿として担いできた議員たちや派閥は、今まで通りで良いという「現状維持バイアス」に陥っているようだ。

 そのため、多くの自民党議員が求めた党員投票は行わず、両院議員総会を開き、国会議員と都道府県連の代表による投票によって総裁が決まることになった。党員投票が実施されれば、全国の党員に人気がある石破茂元幹事長が選出される可能性が出てくるからだろう。安倍政権を継承させたい議員らにとって、転換派の石破氏は目の上のたんこぶ。これまでの7年8か月の成果(?)が、もしかすると色んな意味でひっくり返るかもしれないのだから、阻止しようと躍起になるのも無理はない。

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