体調を崩した時に頼りになるのが市販薬。とはいえ、ドラッグストアにずらりと並ぶ中から自分の症状に最適な薬を選ぶのは案外難しい。体に合わない薬をのんだら治るものも治らないし、副作用も心配だ。医師たちが頼る市販薬はどれなのか? オススメの胃腸薬と下痢止めを聞いてみた。
胃弱体質という形成外科医の北條元治さんが常備しているのは、『正露丸』『ガスター10』『大正漢方胃腸薬』の3点。
「『正露丸は』下痢止めに、『ガスター10』は胃酸分泌を止めるので胸焼けがするときに、『大正漢方胃腸薬』は腸の調子が悪いときに、と使い分けています。ただし、食中毒のときに下痢止めをのむのは避けてください。油っこいものを食べすぎたときなどだけにしましょう」(北條さん)
注意が必要なのは『ガスター10』も同様だ。内科医の秋津壽男さんが解説する。
「『ガスター10』は過度な胃酸の分泌を抑えるH2受容体拮抗薬と呼ばれる薬で、非常に強力な作用を持っています。胃がんの痛みでも抑えてしまうことがあるため、長く常用していると大きな病気の兆候を見逃してしまう可能性もある。一箱使っても胃痛が治らない場合は、必ず病院を受診してください」
内科医の近藤千種さんは「体に優しい」という理由で、『太田胃散』を選んでいるという。
「生薬由来で、胃酸を抑える働きがあるので常備薬として便利です。もっと即効性がほしいときには『パンシロン01プラス』もおすすめ。食べすぎや飲みすぎ、胃のもたれなどすべてに対応できます」(近藤さん)
消化器外科医の白畑敦さんの常備薬はこの時期こそ手に入れておきたい薬のうちの1つだ。
「漢方薬の『五苓散』は冷たいものを飲んだとき、エアコンでお腹を冷やしたとき、下痢をしたときなどによくのんでいます。腸のむくみをとる薬で、一般の下痢止め薬のような即効性はありませんが、“お腹の調子が悪いな”と感じるときにのむとよくなります。二日酔いのときは、朝のむとスッキリします」(白畑さん)
※女性セブン2020年9月24日・10月1日号